異世界の魔法使い 2 (ページ19)

今日:33 hit、昨日:205 hit、合計:37,092 hit

第55話ページ19

ラ「自分の気にくわない教師・生徒多数にケガを負わせて進級差し止め扱いだ。だが魔法使いとしての実力を考慮され退学にはなっていない、レアン寮にはよくある話だ………いちいち相手にするな…」

(怖い………！)

ごそっ

ラ「！」

「？」

マ「シュークリーム潰れたかと思った」

ラ(あいつ、それであんな表情を……)

マ「シオンちゃん、このシュークリームあげる」

ラ「それと直にシュークリームを入れるな、不衛生だ。そしてそれを人にあげるな」

マ「うす」

「でも、ありがとう……」

マ「うす」

シュークリームを渡してくるマッシュに軽く注意するランスを見て、シオンは先程までの恐怖がなくなっているのを感じた。

それから、ランスを筆頭に課題を進めるべく森へ入ったシオン達。
ランスが先頭を歩き、時々後ろを向いては2人がちゃんといるか確認してくれた。

ラ「すごく危険なにおいがするな……」

「危険なにおい……？」

ラ「ああ、シオンは必ずオレかマッシュの後ろにいろ」

「うん…………」

ラ「マッシュ、奴はシオンに何かしようと企んでいた。ここは2人でシオンを守りつつ行動した方が得策だろう、ここは長男のオレに任……………」

ランスはチラッと後ろにいるマッシュとシオンの方を向きながらそう説明したのだが………数秒前までそこにいたはずのマッシュがいなくなっていたのだ。

「あ、あれ？マッシュくん……？」

ラ「はあ………先が思いやられる。とりあえずオレ達は先に課題を終わらす事を優先しよう」

「………うん(大丈夫かな、マッシュくん………)」

その頃のマッシュ

マ「ぼーっとしてたら1人になってしまった……まあいいか」

なんて事を言っていたのをランスもシオンも知らないのだった。

ラ「怖いか？手を握るか？」

「…………お願い、します」

ギュウウ！

フレ「「あばばばばばばばばばばばば！！！」」

「！！？」

フ「よかったよー！ランスくんがいて！！」

レ「こわいこわいこわい！！！」

ランスの手を掴もうとした瞬間、どこからか現れたフィンとレモンが勢いよく飛び出してきて彼の足元に抱きつくと全力で泣き出した。

ランスはピクッと眉を寄せて2人に鋭い視線を向けると口を開く。

ラ「放せ」

フレ「「見捨てないで！！」」

「フィンくん……レモンちゃん……大丈夫？」

フレ「「うわああああああ！！！」」

「あわわわ………」

ラ(それよりアイツはちゃんとやっているのか……)