異世界の魔法使い 2 (ページ2)

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第38話ページ2

編入試験の際にでた迷路の問題の時に思わず服を掴んでしまった男子生徒。
かなりの高身長で水色の髪と瞳、整った顔立ちという完璧な出で立ちとその力強い圧がシオンに襲いかかり、彼女はまた体を震わせる。

(あの時の……怖い人！)

ト(アザが2本……見ない顔だ、1年生か？)

レ(編入試験で1位成績だったランス・クラウンくん。改めて見てもスゴいイケメン………ダメ私………私には心に決めた人が…………)

いきなり会話に入ったランス・クラウンを見て皆は彼に対し心の中で色々思っていると、特に驚いた様子のないマッシュが口を開く。

マ「いや楽しくはないですよ、ね」

「え？うん…………」

ラ「そうか………じゃあもっと楽しいことしよう」

ゴソッ

マ「……………楽しいこと……かくれんぼ？」

フィ(かくれんぼではないでしょ絶対！)

「かくれんぼ………苦手……いっつも最後になるまで見つけてくれない……」

フィ「いや大丈夫だよシオンちゃん！！かくれんぼしないよ多分！！後それ僕もあった！！」

そんなやり取りをしていると、ランスは懐から大きめのビンを取り出しマッシュ達に見せた。

スッ

ラ「…………このビンは特殊な魔法道具だ。かなり昔のものなんだが………」

キュポッ！

「！？」

マ「！」

ズオッ！！

ランスが取り出したビンの蓋を開けるとシオンは思わず目をつぶる。
静かになった空間に恐る恐る目を開くと先程まで騒いでいた3人の姿がなかった。

「あれ……？」

マ「シオンちゃん、あれ……」

「！」

ト「なんだこれは！！」

レ「イヤアアア！！男2人と密室なんてコンプラ案件ですぅうう！！！」

ラ「こうして人を閉じ込めることができる………なのに、そこの女」

「！」

ラ「なんでお前はこのビンに入っていない？何か魔法を使ったのか？」

「え……あ……(そんな事言われても………)」

スッ……

睨むランスにそう言われ、涙目で何とか話そうとしたシオンの前にマッシュが立った。

マ「この子にそう言うキツイ言い方しないで」

「マッシュくん……」

ラ「………ふん、まあいい。これを返して欲しかったらフクロウ小屋横の森へこい。お前もな。待ってるぞ」

ボアッ！

ランスはマッシュとシオンを交互に見た後炎に包まれてその場から去っていく。

残された2人は互いを見て首を傾げた。

マ「とりあえず行きますか」

「う…ん……(怖いけど……)」

複雑な心境ではあるが、何もしないわけにもいかず。