episode.394 ページ8
カ「いう小麦粉の菓子だ。ナッツやチーズ、クリームなんかをのせるとうまい。お前らに食ってもらおうと思ってさ!」
(カバンからたくさんタッパーが出てくる……)
ヴィ「とりあえず没収ね、次は………ジャミルは食べ物を持ち込んでないようだけど……なに?この大きな布の包みは」
ジ「有事の際にすぐ解毒薬を調合できるように魔法薬と薬草のセットです。魔法薬学に長けたヴィル先輩がいらっしゃるので必要ないかと思ったのですが。念のために」
ヴィ「なんか物騒ね……まあいいわ」
じー…
ジ「コトハ、この薬が気になるのか?」
コクリ
ジ「この薬の効果は」
ヴィ「その話、後でしてちょうだい。次は…………エペル、まさかお菓子なんて持ってきてないわよね?」
エペ「えっと……は、はい。でも……自分で作った林檎のドライチップはちょっとだけ……」
ヴィ「ナッツやドライフルーツは食べ過ぎない限りはOKよ」
(ナッツやドライフルーツはいいんだ………食べたことないけど、どんな味がするんだろう)
じー……
エペ「コトハサン……これ気になるの?」
コクリ
エペ「…よかったら食べない?たくさんあるから……あ、もしかしてアレルギーとかある?」
フルフル
エペ「はい、どうぞ」
エペルは言葉がアレルギーがないとわかると、彼女の手にドライフルーツを置いた。
言葉は手に置かれたドライフルーツをマジマジと見た後、ゆっくりと掴み口元をずらして口に含む。
すると、口の中に広がる林檎の味に言葉の顔が輝いた。
パァアア!
(お、美味しい!ドライフルーツってこんなに美味しいんだ!)
エペ「どう、かな?」
コク、コク!
エペ「よかった、口にあったんだね。そんなに喜んでくれて嬉しい、な」
話さずとも顔からあふれる嬉しそうな顔にエペルも同じように微笑んでいた。
そんな2人をデュースはじっと見つめる。
デュ「………………」
ドン!
ユ「わ!ごめん、デュースぶつかっちゃった!」
デュ「わ、わるい……僕もぼーとしていた…」
ユ「?(デュース、最近なんだかぼーとしているような…)」
どこか様子のおかしいデュースに違和感を覚えるユウだったが、談話室に響くヴィルの声で我にかえる。
ヴィ「最後にルーク。アンタのことは信頼しているわ。でも荷物が分厚いアルバムだけって……一体なんなの?」
(え?アルバムだけ?)
ユ(あ…本当にアルバムだけだ)
ル「はは。それはただのライフワークの記録さ」
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