episode.406 ページ20
デュ「『引き締め”のためのメニュー』と言ってましたね」
グ「でも、野菜ばっかじゃ食った気がしねぇんだゾ。オレ様とユウとコトハは大会に出ねぇんだから肉と揚げ物食わせろってんだ〜！」
ユ「確かにちょっと物足りないね……」
《美味しかったぁ、いっぱい食べれたよ》
ユ「あ、凄く喜んでいる方が1人だけいた」
グ「コトハの奴、珍しく食事ではしゃいでるんだゾ」
余程、特別メニューが口にいけたのか普段より食事をとれた事に喜ぶ言葉を見て温かい眼差しで彼女を見つめるユウと冷ややかな視線を送るグリム。
そんなやり取りをしていると
ビー！！
《あ、玄関のチャイムが鳴ってる》
グ「ン？こんな時間に誰だ？」
ユ「行ってみよう」
コクリ
玄関のチャイムが鳴り、せっかくだからと皆で玄関に迎えるとそこには宅配便姿のゴーストが浮いていた。
ユ「は〜い、どちら様ですかぁ？」
ゴ「お届け物でぇす。ポムフィオーレのエペル・フェルミエさんはこちらに？」
エペ「はい。エペルは僕……です」
ゴ「サインお願いしまーす。大きなダンボールが10箱届いてます。玄関に置いてしまっても？」
エペ「えっ、10箱も！？」
ゴ「はい。差出人は…あ、こちらもフェルミエさんです。ご実家からですかね？どれも重たいので、持ち運びに気を付けて」
ドサドサッ！
(段ボールがたくさん………)
宅配便のゴーストが玄関に10箱の段ボールを置くと言葉はその段ボールの量を見て目を丸くしていると、デュースも同じような顔をして段ボールを見つめる。
デュ「あっという間にダンボールでオンボロ寮の玄関が埋まったな……」
エペ「うわあっ！絶対ばっちゃ……あ、おばあさまからだ。もう、電話で何度も送らなくていいって言ったのに！」
カ「なんだぁ？実家から絹の反物でも送ってきたのか？」
エペ「いえ、そんなすごいものじゃない……かな？えと、僕の故郷は林檎が特産品で……たぶんこれ全部、林檎ジュース……です」
エ「全部！？ジューススタンドでも開けそうな量じゃん」
(林檎ジュース……ジュースってあんまり飲んだことない……)
言葉はエペルとエースのやり取りを聞きながら、段ボールに入っているらしい林檎ジュースを想像して元いた世界ではジュースを飲むことを禁止されていた事を思い出す。
すると、段ボールを開けていたエペルが何かが入っている事に気づく。
エペ「あ、箱の中に手紙が入ってる」
(手紙…)
エペ「『売れ残って』」
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