episode.402 ページ16
「?」
レッスンを開始して数分後、ヴィルが曲を止めろと指示をするので慌ててユウはスマホを押すと曲は止まりヴィルはデュースに近づいてそう指摘した。
対して、指摘されたデュースと傍でタオルを用意していた言葉はキョトンとした顔でヴィルを見る。
デュ「えっ。新ジャガ2号って、僕ですか?」
ヴィ「アンタ以外誰がいるのよ」
エ「オレが1号ですもんねー……」
(1号…………)
ヴィ「手のフリに気をとられすぎて、足元が完全にお留守。なによりも動きが硬すぎ。背中に物干し竿でもくくりつけてるの?」
デュ「す、すんません……!」
(デュースくん、運動神経良いのにやっぱりダンスって難しいんだ)
ヴィ「硬さに関してはエペル、アンタもよ。ジャズヒップホップに必要なのは柔軟さ」
エペ「でも、こんなくねくねした女の子みたいな振り付け……僕……やりたく、ない、です」
ヴィ「はぁ?『くねくねした女の子みたい』……?」
「!」
デュースの次にエペルの指導に入るヴィルだったが、彼の一言に怒りを顕にする。
ヴィ「ずいぶんはっきりした寝言ね。寝言だとしても聞きずてならないけど」
グイッ!
エペ「い、いだだっ!耳を引っ張らないでくださいっ!」
ヴィ「まだ夕方なのに可愛い林檎ちゃんはおネムのようだから、よく聞こえるように手伝ってあげてるだけよ」
「!!」
グイッ!
エペ「!」
ヴィ「あら?何かしら?」
ユ「コトハちゃん!?」
耳を引っ張られ痛がるエペルを見た言葉は目を丸くして驚き、慌ててヴィルに近づくと彼の腕を引っ張る。
突然乱入してきた彼女にヴィルは一瞬驚いたがすぐにいつもの笑みを浮かべて、言葉に何をしているのか問いただす。
ヴィ「もしかして、アタシがエペルに意地悪をしてると思った?残念だけどこれは意地悪ではなくアタシの指導よ」
「!」
バタバタ!!
ヴィ「何かを訴えかけてるのはわかるけれど、今はエペルに用があるの。エペル、いいこと?『くねくね』した動きは、インナーマッスルをきちんと鍛えてこそ綺麗に見えるの。服にもダンスにも『男専用』『女専用』なんかない、男だから女性的なフリを踊るのが恥ずかしいなんてマインドが前時代すぎる。アナタ、100年前からタイムマシーンで現代におでましになったの?違うわよね?」
エペ「ち、違います……」
カ「まあまあ、ヴィル。そんなに怒らなくてもいいじゃんか」
コクリ、コクリ
カ「ほら、コトハも頷いてる。なあエペル」
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