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episode.397 ページ11

黒い墨が一粒一粒落ちていき

辺り一面に広がっていく………




ーポムフィオーレ寮 ボールルームー

パンパン!

ヴィ「各自柔軟体操が済んだら、集合して」

早速、練習開始という事で一同はポムフィオーレ寮のボールルームに集まっていた。
皆、体操着に着替えて柔軟体操をしているとヴィルから収集がかかる。

ヴィ「『ボーカル&ダンスチャンピオンシップ』で発表する曲が仕上がってきてるわ」

ジ「仕上がってきてる、ということは……オリジナル曲なんですか?」

《オリジナル………ヴィル先輩が歌を作ったってこと?》

ヴィ「ここ数年の『VDC』ではオリジナル曲の制作は常識よ。『ボーカル&ダンスチャンピオンシップ』は、ビューティーコンテストでもファッションショーでもない。評価基準は、歌唱力とダンス技術。そして、自分たちに似合う曲を選べているか」

デュ「似合う曲、……って、結構漠然としてますね。どういうことですか?」

ヴィ「服に似合う似合わないがあるように、曲も声質やグループの雰囲気に似合わないものを選ぶのはマイナス。例えばエレメンタリースクールの学生が渋いブルースやヘヴィメタルを歌ったら、どれだけ歌唱力が高くても、声質やビジュアルから違和感がある。会場の共感を得るためには、アタシたちにピッタリの曲を選ぶのも大切」

(つまり………無理に高望みするよりも確実に自分達にあった曲でお客さんの共感を得る方を選ぶってことか……なるほど)

ジ「そういえば、この大会は会場の投票でファイナリストが決まるんでしたね」

ヴィ「そう。『VDC』で勝敗を決めるのは会場にいる者全員よ。観客も出場者もスタッフも1票ずつ勝者にふさわしいと思うチームに投票する権利を持っている」

カ「出場メンバーも?それって、絶対に自分たちに入れちまわねーか?誰だって自分たちが一番だ!って思うはずだし……」

コクリ

(そう思う人もいるよね…)

ヴィ「素人考えではそうでしょうね。でも………………実力のある人間ほど自分に投票できない場合もある。パフォーマンスを見た瞬間にわかってしまうの。『自分じゃ絶対に敵わない』って」

ル「………………」

ヴィ「そうなると、自分の心を偽って自らを称賛するのが惨めになる」

ジ「それは……少しわかる気がします」

エペ「自分を、偽る……」

(自分を偽る、か…)

ヴィルの言葉に言葉はかつて、一族の言いなりになっていた自分を思い浮かべる。

心を無にし、ただ当主に従う自分。

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設定タグ:ツイステ&ヒロアカ , クロスオーバー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:るーるる | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年1月6日 9時

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