真紅の暴君 53 ページ5
ー図書室ー
ト「…………………」
トレイはお菓子作りの際に使用したレシピ本を棚に返しながら昔の事を思い出す。
1つのいちごタルトを仲良く分け合う3人の少年……そしてフォークにさしたタルトを口に含みキラキラと輝いた笑顔を見せてくれた赤毛の少年の顔を。
ト「俺は……どうしたら」
ピィーーー!!
ト「!?」
ピィ!ピィーーーー!!
「現行犯逮捕じゃい!」
ト「A!?どうしてここに……」
ピィーーー!
ポツリと呟いた瞬間、耳の鼓膜を震わせるくらいの高い笛のような音にトレイは思わず本を落とし周りを見回すと本棚の間からホイッスルを鳴らしてトレイに指をさすAがいた。
しかもトレイが質問しても「現行犯逮捕」としか言わず、ひたすらホイッスルを吹いていた。
ピィー!ピィーー!!
「現行犯逮捕じゃい!」
ト「と、とりあえず落ち着け、ここ図書室だからな?」
ピィーーーーーー!!!
エ「うるっせえ!!!お前何がしたいんだよ!!せっかくトレイ先輩見つけて寮長の話聞こうと思ったのに雰囲気ぶち壊しじゃねえか!!」
デュ「エースの声もうるさいぞ!ここは静かに利用する図書室だぞダァホ!!」
グ「オマエら全員声が大きいんだゾ!耳がキーンってなってるんだゾ!!」
「ピィー!」
エ「ホイッスルで会話すんじゃねえ!とりあえず口から離せそれ!!」
「ピィー!ピィー!」
ト「頼むから静かにしてくれ!話するから!!」
さすがのトレイも耳を押さえながら懇願し、なんとかその場はおさまった。
だがAはホイッスルをくわえたままである。
ト「……それで、話っていうのは?」
「ピィー」
エ「あーもー!お前は鳴らすな!……オレたち、やっぱ寮長のやり方に納得いかねーんだけど」
ト「………だろうな」
エ「アンタ実際アイツのことどう思ってんの?小さい頃からずっとそうやってアイツにペコペコしてきたわけ?」
ト「!誰から聞いた?」
デュ「チェ 「アルチェーミ・アルチェーミエヴィチ・ピンカーです」おい!話を遮るな!!」
ト「アルチェー……ああ、チェーニャか。そうか、あいつか」
グ「つーかよぉ、リドルよりオマエの方が年上なんだろ?ビシッと怒ってやればいいんだゾ」
ト「もちろん、必要があればそうするさ。でも……俺にはあいつを叱ることなんか出来ない」
エ「なんで!」
ト「リドルの全ては、厳しいルールのもとで“造られた”ものだからだ」
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るーるる(プロフ) - 絵さん» 絵さんこんにちは!確かに名前間違ってましたね(;´д`)ご指摘ありがとうございます!! (2021年11月7日 17時) (レス) id: a237b45332 (このIDを非表示/違反報告)
絵 - 真紅の暴君56のクロウリーのセリフでグリムくんがグリルくんになっていると思います (2021年11月6日 20時) (レス) @page8 id: a4d316c6c5 (このIDを非表示/違反報告)
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