歪みの国の少年少女３

真紅の暴君 82 ページ34

テーブルの上に置かれたのは白い塊が7個。
ちょうど、このメンバーと同じ数である。

白い塊はつぶらな瞳とウサギ耳がついており、可愛らしいウサギのモチーフのお菓子であった。

リ「白いウサギ……」

ケ「かっわいい〜！え！これAちゃんが作ったの！？これはマジカメにアップしなきゃ！」

パシャ！

ト「この菓子は……持つと少し重いな、中身は……」

「これ、苺大福です」

全員「苺大福？」

「中にあんこと苺を詰め込んだ饅頭です、甘くて美味しいですよ」

デュ「お前……薄々思ってたが料理も天才的だな」

エ「しかもこんなカワイイデザインで作るとかどうしてくれんの、食べづら」

「見た目が可愛くても食べ物だぞ、こうして半分にして」

スパン！

グ「ひっ！？ウサギの顔が真っ二つに！！」

エ「食い物にも容赦なしかよ……」

ト「でも甘いものだったらケイトが……」

「安心してください、中身に激辛ソース加えたのがあるので」

エ「何にも安心できねーよ」

ケ「やっぱり仕掛けてたかー…」

苦笑いしつつ、ケイトは近くの大福を取り皆も1つずつ大福を手に取る。
リドルは大福を見つめて優しく撫でていた。

「では、いただきまーす」

全員「いただきまーす」

パクッ！！

エ「むぐ！？」

デュ「ぐふ！？」

グ「ふぎゃああ！！」

ト「ぶっ！！」

4人「からーーー！！！」

「ちなみに7個中5個は激辛ソース入りです、もぐもぐ」

エ「ゴホッ！オエッ！お前も本当最低だな！！水！誰か水！！」

デュ「っ〜〜〜〜〜！い、息ができない……でもダイヤモンド先輩はこのくらいの方が……」

ケ「オレ……めっちゃ甘い……うぇえ…トレイくーん、ユニーク魔法で」

ト「……………………………」

ケ「トレイくん！？トレイくーーん！！？どうしようトレイくんあまりの辛さに息してないよ！？」

グ「ま、待つんだゾ！ケイトが甘いのでオレ様たち4人が辛いのだったら最後の辛いのは誰が食べてるんだゾ！！リドルか！？」

リ「え、ボクまだ食べてない……」

「僕です、もぐもぐ」

グ「こ、この辛さを真顔で食べてやがる！！コイツ人間じゃねえ！！」

ケ「いやそれより早くトレイくんが！誰かー！医務室に運ぶの手伝ってー！！」

目の前が騒がしくなっているが、リドルは唖然として立ち上がる事すらできなかった。
すると視線を感じて下を向くと、持っていた白ウサギの苺大福がまるでリドルを見つめているように向いていた。

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