歪みの国の少年少女３

真紅の暴君 81 ページ33

寮生が騒ぎ出した所でチェーニャは怯えることなく鼻歌を歌いながら姿を消した。

寮生「あ、逃げたぞ！」

寮生「追え追え〜！」

グ「なんかみんなが急に殺気だったんだゾ」

リ「ナイトレイブンカレッジの生徒は高確率でロイヤルソードアカデミーを敵視してるからね」

ト「100年も延々負け続けてればそうもなるというか……」

ケ「まーまー！お祝いの日にそんな暗い話はナシナシ！今日は『なんでもない日』のパーティを楽しもうよ」

グ「にゃっはー！腹がはち切れるまでごちそうを食ってやるのだー！『なんでもない日』バンザーイ！」

グリムの言葉でパーティは再開され、皆は残りのケーキも美味しく食べていく。(リドルの手作りケーキはAが美味しく最後まで食べました)
すると、不意に苺タルトを食べていたリドルの手が止まる。

リ「…………………」

エ「寮長？」

ト「どうしたリドル？」

リ「いや……結局、あの『なんでもない日』に現れた白いウサギは誰だったんだろうなって思って」

「ケーキうま」

全員「ぶっ！？」

リ「？」

リドルの口から発せられた言葉を聞き、A以外の皆が吹いてしまう。
当の本人はリドルの横で相変わらずケーキを貪っていた。

リ「どうしたのみんな？」

デュ「いや、どうしたのって……ローズハート寮長、本当にわかってないんですか？」

リ「ああ……もしかして彼は着ぐるみじゃなくて、本当に白いウサギだったのかも…」

コソッ
ケ「ちょっとトレイくん！まだ言ってなかったの！？あの着ぐるみの正体がリドルくんの隣でケーキ食べまくってるAちゃんだって！！」

コソッ
ト「すまない、言えるタイミングがなかったのと正直忘れてるのかと思ってた………」

エ「なーに言ってんすか、寮長。あんな口達者なでかい白ウサギなんているわけないっしょ」

グ「本当なんだゾ」

デュ「エース！？グリム！？」

リ「キミたちは彼の正体を知っているのかい？」

エ「どう考えてもアレはアンタの隣にい…むがっ！」

グ「ふなっ！？」

小馬鹿にしたようにいうエースとグリムにリドルが聞くとエースが名前を言おうとした瞬間、彼の口にリドルの作った苺タルトが埋め込まれた。
それを見ていたグリムはブルブルと震えて口もまともに開けないでいる。

埋め込んだ犯人であるAはエース達を見ずに何かを取り出した。

「あ、そういえば僕、皆さんに手作りお菓子作ってきたんです。良かったらどうぞ」

リ「手作りお菓子？」

ポンッ

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