美貌の圧制者 224 ページ45
(なんで、徐々にミッキーがハッキリ見えるようになって来たんだ？………もしかして何か条件があるのかもしれない)
ミッキーが呆然と突っ込む中、Aはミッキーが出てくる何かがあるのかもと考えているとミッキーが口を開いた。
ミ「それより、前に君が持ってる不思議なカメラの話をしたところで、お別れしちゃっただろう？僕、それがずっと気になってたんだ」
「鈍器ね」
ミ「鈍器じゃないよね？カメラだよね？」
「んで、このカメラ鈍器がどうしたんだ？」
ミ「(カメラ鈍器……？)せっかくだからそのカメラで僕の写真を撮ってくれない？ゴーストカメラで撮るとどうなるか気になるんだ」
「じゃあ撮るぞー、ハイチーズ」
ミ「いやちょ！待って！早い！！」
パシャッ！！
ミッキーがAの持つゴーストカメラを話題にすると、いつの間にか手に持っていたカメラでミッキーを撮るA。
ミッキーは慌ててポーズを撮ると、カメラから写真が出てきてちゃんと笑顔でポーズをキメているミッキーが写っていた。
(コイツ、写真馴れしてやがる)
ミ「どう？格好良く撮れた？」
「おう、なんかネズミが写ってるがバッチリ撮れてるぞ。ほら」
ペタッ！
ミ「多分そのネズミって僕のこと……ちか！写真が近すぎるよ！？逆に見えてない！！」
見えないと訴えるミッキーに悪い悪い、と心がこもっていない謝罪をした後鏡から写真を離すとミッキーは嬉しそうに笑った。
ミ「ははっ！よく撮れてる！僕もその写真欲しいな……」
「じゃあ、この写真をやろう。ちょっと待ってろ」
ゴッ！ゴッ！
ゴッゴッゴッゴッゴッ！！！
ミ「待って！待って待って！！鏡を通して写真を渡そうとしてくれるのはいいけど多分無理だと思う！！ついでに鏡が割れちゃう！！」
「あ、すまん」
ミ「またこうして話できるからいいよ、ありがとう！でも、前よりどんどんAの距離が近づいてる気がする。声もよく聞こえるし、姿もよく見える。もうガラス1枚ぶんくらいしか、僕らを隔てるものはないみたい」
「もう割っちゃう？」
ミ「いや、そんな軽い感じで言われても………大丈夫かな。そう言えばこうして話ができる時間も、どんどん長くなっているよね。いつか一緒に映画が見られるようになったりして。ツイステッドワンダーランドにも、映画はある？Aのオススメを、今度見てみたいな」
「1人の男を2人の女が取り合う泥沼三角関係は興味ある？」
ミ「映画はやめようか」
「うい」
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