美貌の圧制者 218 ページ39
ネ「ふふっ。今度はイニシャルじゃなく、ちゃんと『ルーク』って名前を書いてくださいね」
ジ「ネージュ・リュバンシェ……さすがの対応だな。彼が愛される理由がわかった気がするよ。世界的大人気タレントにして、細やかな対応。あれは確かに『強い』」
エ「いやぁ、ルーク先輩がインパクトありすぎるファンなだけな気もするけど……」
「僕もサイン、欲しい。くれ」
ネ「うん、いいよ！」
ジ「俺はあんなフィンがいたら即刻切るけどな」
エ「オレもっす」
ルークとネージュが握手を交わし、図々しい態度のAを見てジャミルとエースがそんなやり取りをしているとヴィルがため息をつく。
ヴィ「……ハァ、酷い男。最後の最後に、とんだ裏切りだわ」
ル「……ズッ、私がロイヤルソードアカデミーに投票したことと、私がネージュのファンだったこととは関係ない。私は……」
ヴィ「ストップ。アンタがそういうタイプじゃないことくらい言われなくてもわかってる。馬鹿にしないで……アンタとは2年の付き合いだけど、ネージュのファンだったなんてちっとも気づかなかったわ。本当に食えない男」
「僕は最初らへんで気づいてましたけどね」
ヴィ「アンタはルークのアルバム見て知ったんでしょうが……ちょ！」
ゴソゴソ
「ルーク先輩、ハンカチどうぞ。推しの前で涙を流すのはだっさいですよ」
ル「メルシー、Aくん…うっ…君のその心遣いボーテ」
ヴィ「ちょっとA！いきなり人の制服のポケットを探らないで。ルークもそのハンカチよく見てみなさいよ、さっきアタシに渡したアンタのハンカチでしょうが」
ネ「ふふっ、ヴィーくん。いつもの笑顔、戻ってきたね！ねえ、一緒に歌おう。みんなで歌えば、きっともっと笑顔になれるはずだよ」
ヴィ「えっ？」
「うちの鬼教官をお願いします」
ネ「うん！任せて！」
ヴィ「誰が鬼教官よ！！ネージュも突っ込みなさい！！」
そんなツッコミも虚しく、ヴィルはネージュに手を掴まれそのまま再び舞台にまで上がってしまう。
そして中央の辺りまでくると観客達が2人を見て騒ぎ出す。
客「見て！ネージュとヴィルが手を取り合ってる！」
客「世界レベルの2人が互いの健闘を称え合って……なんて美しい光景なんだ！」
ネ「ナイトレイブンカレッジのみんなも、一緒に歌おう！」
NRC「「「「「「えっ、え…ええ〜〜っ？」」」」」」
「ふ……青春だな」
グ「オメーどういう立ち位置なんだゾ」
ぴ「ぴぃちゅけもおどる〜！」
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