美貌の圧制者 210 ページ29
ミ「オレだってわかってんだよ！！あのぶりっこキャラ無理あるなって！でも仕方ねえじゃん！なんか知らないけどうけたんだから！！なんか知らないうちにアイドルにまでなっちまったんだから！！てか素の方を痛いとか言うな！！」
ポン♪
「どんまい」
ミ「うるせえ！！思ってねえだろ絶対！！腹立つぅううう！！！」
発狂するミウの肩に触れてあっさりそういうA。
その手を勢いよく払いのけミウは鬼の形相で怒り狂うもAは全くこたえていない。
「じゃあ、話もすんだんで僕はここいらでお暇します。あざっした」
ガシッ！
ミ「いや待て待て！！まだ終わってないっつーの！！お前の状況教えろ！なんのためにこうやって2人きりで素の面見せながら会話したと思ってんの！？」
「？」
ミ「いや、？……じゃねえよ！お前元の世界にいた時からずっとそうだけどそういうのちゃんとした方がいいと！」
「？？」
ミ「…………………ん？ちょっと待って。お前まさか………オレの事、覚えてないの？」
「お前の事どころか自分の事は名前と年齢と本当の性別は男って事しか知らん」
ミ「は…………はああ！？マジで！？嘘だろ！！？」
途中で違和感に気づいたミウがそう問うとAは真顔であっさりと答えるとミウは驚いた声をあげる。
「何をそんなに驚いてるんだ？僕は嘘をついてないぞ」
ミ「た、確かに嘘ついてるわけじゃなさそうだな………そもそもお前、嘘つくタイプじゃねえし……良くも悪くも素直でやりたい放題な奴だったし…………」
「ふ、褒めてもそこら歩いてたダンゴムシしかないぞ」
ミ「いや全然褒めてねえから、ダンゴムシもいらねえ………ちょ！やめろ！手に乗せようとすんな！！」
ミウはAを見ながらブツブツと言ってる間、Aはダンゴムシも野に放して全く彼女の話を聞こうとしなかった。
ミ「マジか………せっかく、この世界で知り合いを見つけられたと思ったのに………よりによって記憶喪失だなんて………」
「なりたくてなったんじゃないやい」
ミ「わかってるよ、Aも苦労してたんだな」
「まあ………ほとんど我が道をいっていましたけどね」
ミ「だろうな」
Aは今まで学園で起こった事を思い出しながら特に苦労した事や嫌だった事(カリムのサンタ暴露事件以外)はないとキッパリ言うと、ミウは知ってると言わんばかりにそう返事をした。
「さっきから思ってたんだが、お前僕の事かなり知ってるみたいだな」
ミ「まあな」
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