美貌の圧制者 209 ページ28
ミ「待てやゴラァア！！」
「お？」
ミ「ハッ！」
ミウの誘いをバッサリ断ったAが帰ろうとしたその時、ミウは大きく丸い目をキッと鋭くさせながら怒鳴りだした。
その声にAが珍しく驚き思わず足を止めると、ミウ自身も我に返り慌てて口を閉じる。
「…………………………」
ミ「…………………………」
「……………よし、話をしよう」
ミ「いや話するんかい！お前人のキャラ変わった瞬間にくいつくのやめろ！！」
「…………………………」
ミ「………………な、なんちゃって〜♪最近ドラマにも出るようになったから台詞を確認しようと思って〜♪中々過激な役だから思わずAちゃんで試しちゃった〜…………」
「へー」
ミ「………………」
「よし、あっちの人影がいなさそうな場所で話しよう。内容は二重人格女のこれからについて」
ミ「余計なお世話じゃ！二重人格でもねーし！！」
なるべくひと目を避けながら小声で乱暴な口調で話すミウの腕を掴んでズルズル引きずり出すA。
辺りを何度も確認し、ひと呼吸置いてミウはキッと真剣な表情でAを見る。
対してAはどこを見てるかわからないくらいボーとした表情をしていた。
ミ「あー………改めて久しぶりだな、A」
「…………………………」
ミ「いきなりあんなキャラでオレと会ってさ、驚いただろ〜？いや、お前ちょっとやそっとの事じゃ驚かない奴だからそんなに驚かなかったか？」
「…………………………」
ミ「まあ、お互いビックリしたよなぁ。急に異世界に来たとかファンタジー要素たっぷりな展開に巻き込まれてさ、しかも性別も変わってしまうなんてどんだけだよ全く(笑)」
「…………………………」
ミ「しかも目を覚ましたら魔法養成学校の男子校に入学するハメになるなんてある意味ラッキーだったかもな」
「…………………………」
ミ「………なあ、さっきからずっと黙ってるけどどうし」
「いやあ…奥深い」
ミ「はあ？」
あの愛らしい雰囲気だったミウが急に口調が変わり、慣れたようにAに話しかけていたが彼女がずっと黙っている事に気づきどうしたかと聞くとAは真顔でそんな事を言い出した。
ミ「お前なにい」
「そのキャラって素ですか？それとも今後やる予定のドラマのキャラですか？」
ミ「いや、素っていうかこれがオレであって」
「あのいったいぶりっこキャラもどうかと思いましたけど、そのキャラもまあー…痛い」
ミ「痛い痛い言うなよ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
