美貌の圧制者 208 ページ27
マ「どうしたセベク？」
リリ「ハッ！こりゃやばい！みんな早く耳をふさげ！セベクが………」
カッ！
セ「あんの小娘がぁあああああ！！！ふざけるのも大概にしろぉおおおおおおおお！！！！」
我慢の限界が頂点に達し、今までにないくらい盛大な声で叫ぶセベクを静かに見守るマレウス、リリア、シルバーだった。
ちなみにあまりにも大きい声だったので、観客の一部が気絶していたのは別の話。
その頃、Aはフラフラと観客席を回りながら元いた場所に帰ろうとしていた。
「さて、暇つぶしも終わった事だしそろそろみんなの所に戻ろうとするか」
ミ「あ、Aちゃーん」
「！」
Aは遠くから名前を呼ばれ、何事だと思い後ろを振り返るとそこには満面の笑みを浮かべて彼女に手を振るミウがいた。
ミ「Aちゃんここで何してるの？買い物？」
「どちら様でしょうか？」
ミ「え？えーー！？Aちゃんひど〜い！ミウの事忘れちゃったの〜！？」
「えー…………昔、隣の家に住んでた犬か何かの名前でしょうか？」
ミ「犬ってなに！？んも〜！Aちゃんってば変な事言わないでよ〜ぷんぷん♪」
「失礼しまーす」
ガシッ！
ミ「ちょっと待って！せっかくだからお話しようよ〜」
「いや、結構です」
ミ「そんな事言わないでよ〜！同じ男子校に通う魔法が使えない女の子同士で楽しくお話しようよ〜」
「結構です」
ミ「も〜！！
ピタッ
「…………相変わらず？」
ミウに腕を掴まれるもなお抵抗するAだったが、初対面のはずのミウに相変わらずと言われ改めて彼女の顔を見るとミウはニヤリと微笑んでいた。
「お前………何者だ？」
ミ「………ふふ、知りたい？じゃあ、ミウとお話してくれるよね？Aちゃん♪」
珍しく焦った様子のAの表情を見て可憐な笑顔を見せるミウ。
その顔で人前に出れば誰もが魅了され、彼女の言うことをなんでも聞いてしまうだろう。
目の前の少女は明らかに魅了されていないが警戒しつつもミウの発言が気になっている様子にうまくいった！と思ったが……
「結構です」
ミ「え」
「なんか…面倒な匂いがするんで別にいいです。興味もないんで」
ミ「は、はあ！？」
驚いた表情を瞬時にいつもの真顔に戻したAはあっさりと拒否すると、ミウは顔を歪めてそこそこ大きな声で驚きの声を上げる。
ミ「え？ま、はい？」
「それじゃ失礼しま〜す」
ミ「ちょ！」
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