episode.374 ページ8
走る音を聞き、以前ジャックがよくオンボロ寮の周りをジョギングすると言っていたので彼かと思って顔をあげたがそこにいたのはジャックではなく、美しい顔で彼女を見つめる1人の男子生徒。
名前は……
?「こんな朝早くからお姫様に会えるなんて光栄だわ」
………ペコッ
「……………………(えっと、名前……この人の名前は…)」
?「ふふ、もしかして緊張しているのかしら?まさか世界的モデルであるヴィル・シェーンハイトがジョギングしているなんて思ってもなかったでしょうしね」
(ヴィル……ヴィル先輩!)
まだ接した事のない人物だが何回か目にした彼の登場に、言葉は必死に名前を思い出そうとしたが先にヴィルの方が自己紹介をしてくれたので安堵する。
ヴィ「………へえ、聞いてた通り貴女話せないのね」
(聞いてた?誰から?)
ヴィルの言葉に首を傾げていたが、この学園に入学してたから日は経つので噂になっているのだろうと納得する。
ヴィ「話せない上で聞くけれど、貴女はどうしてここにいるの?ジョギング?」
フルフル………
ヴィ「まさか……散歩をしていたの?」
コクリ
ヴィ「ダメよ!」
「!?」
突然の駄目出しに言葉は目を丸くして驚いていると、いつの間にか距離を詰めてきたヴィルに優しく頬を触れられる。
ヴィ「せっかくの綺麗な肌が乾燥しちゃう!ちゃんと朝のスキンケアはしたの!?日焼け止めは!!?冬にだって紫外線はあるのよ!!もっと自分の肌を大事にしなさい!!!」
「????」
コクコクコク!!
まるで母親のような叱り方をしてくるヴィルに言葉は目を丸くして混乱した。
だが、別に間違っていない指摘だったので必死に頷いていると納得してくれたのかヴィルはゆっくり彼女から離れる。
ヴィ「ならいいわ、アタシ達男性よりも女性の肌は敏感なんだから。せっかくの美しい顔なんだもの、ちゃんとケアしなくちゃ………」
(………なんだろう、思っていたより熱いというのか……なんか意外)
ヴィルと至近距離で接するのは初めてだが、傍から見たヴィルの印象は美しく、常に冷静でクール、あまり他人に興味がないものだと思っていたが彼のスキンケアに対する情熱に言葉は目を丸くして戸惑った。
だが、自分の頬を触れる彼の手の温かさが妙に心地よく悪い人ではないのだと理解する。
しばらく彼と見つめっていると、ヴィルはゆっくりと彼女から離れた。
ヴィ「いきなりごめんなさいね、アタシったら。美しい」
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本気と描いてマジと読む - レオナが女じゃなくてちゃんと女性って呼ぶの育ちの良さ感じる (3月16日 22時) (レス) @page34 id: 653187292b (このIDを非表示/違反報告)
日向 - 最初から最新話まで全部読んでとても面白いです特にジェイドとの掛け合いが好きで早く自分の気持ちに気づいて欲しいです、今後ジェイドって出てくる事ってないのでしょうか?それとイベントなどのお話はでないのでしょうか?これからも更新頑張って下さい! (12月27日 14時) (レス) @page47 id: 03fc316121 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - 最初から最後まで読み切ってきました。所々(名前)になってないミスがあったり、誤字脱字等ございましたが、主人公との出会いの描写やヒロアカとの絡め方が大変興味深かったです。更新応援してます (5月14日 11時) (レス) @page10 id: 700750cf11 (このIDを非表示/違反報告)
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