episode.373 ページ7
元の世界の同級生達を思い出し、酷く懐かしく感じている反面ある感情がふつふつ湧いてくるのを抑えようとしたその時だった。
パァアアア!!
「!」
ヒョコ
“こんにちは♪”
「…………………………」
ペコッ
“ふふ、あなたもずいぶんわたしになれたわね”
(いつもの黒い……影……)
急に窓が光ったと思えば、今日までに何度か見てきた黒い影が嬉しそうに言葉に話しかけ、言葉はその影の言うようにもう慣れたのか頭を下げたり、落ち着いて見れるようになっていた。
“ねえ、さいきんここにいなかったみたいだけど、どこにいってたの?”
《えっと………スカラビアっていう寮に行ってて……体調が崩れたりちょっと?した事件が起こって中々帰れなかったの》
“え〜!?それはたいへん!あなたがぶじにかえってきてくれてよかった〜だって、こうしておはなしできなくなるんだもん”
《…………あなたは私と話をして楽しいの?》
“ええ、たのしいわ!わたし、わけあってあなたのまえしかでてこれないもの。あなたがかんじてみてきたもののおはなし………たいくつしなくてすむわ!”
《私の前でしか出てこれない?どうして………?》
“どうして?そんなのあなたがしるひつようはないわ!このせかいはまほうのせかいよ!ゆめのようなふしぎなせかい!そう!”
ツイステッドワンダーランドなのだから………
少女の呟きは徐々に小さく、だが言葉の耳にゆっくりと響いていく。
気づけば、窓際に写っていた黒い影はなく言葉はしばらく立ち尽くした後手を伸ばして窓に触れた。
「ツイステッドワンダーランド………か…」
その呟きは誰に聞かれることなく、言葉はしばらく雪が積もる景色を見てはそっと離れる。
そして談話室には誰もいなくなった
ふふふ……
ーオンボロ寮前ー
(ふう……寒い)
翌日の朝。
言葉は目を覚ましオンボロ寮のカーテンを開くと、まだ雪が積もっている景色を見て息を吐く。
(まだ学校まで時間があるから、散歩でもしようかな)
体調も完全に戻り、ホリデーはほとんどスカラビア寮にいたので雪を堪能しようと防寒着を着用して外へでる。
ザクザク
(…楽しい)
真っ白な雪の上を歩くと、自分の足跡が綺麗についていき踏み込んだ時の音を楽しむ。
言葉は幼少期に雪の中で遊んだ事がないので新鮮に感じていると
ザッ!ザッ!
「?(誰かの足音が聞こえる……ジャックくんかな)」
?「あら?」
「!」
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本気と描いてマジと読む - レオナが女じゃなくてちゃんと女性って呼ぶの育ちの良さ感じる (3月16日 22時) (レス) @page34 id: 653187292b (このIDを非表示/違反報告)
日向 - 最初から最新話まで全部読んでとても面白いです特にジェイドとの掛け合いが好きで早く自分の気持ちに気づいて欲しいです、今後ジェイドって出てくる事ってないのでしょうか?それとイベントなどのお話はでないのでしょうか?これからも更新頑張って下さい! (12月27日 14時) (レス) @page47 id: 03fc316121 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - 最初から最後まで読み切ってきました。所々(名前)になってないミスがあったり、誤字脱字等ございましたが、主人公との出会いの描写やヒロアカとの絡め方が大変興味深かったです。更新応援してます (5月14日 11時) (レス) @page10 id: 700750cf11 (このIDを非表示/違反報告)
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