歪みの国の少年少女 14 (ページ40)

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美貌の圧制者 173 ページ40

ル「それでもなお禍々しいほどに美しい、キミの姿から目を逸らしたくない……なのに、目が霞んで……」

「目がチカチカしますもんね、派手すぎて」

カ「くそっ、身体の、力が入らないっ………っ！」

グ「頭がくらくら……するんだゾ…………」

「くっ………これが○林幸○の威力！」

グ「オメーは誰の話してるんだゾ？」

約1名、全く関係ないことで悔しがっている中ヴィルの魔力がどんどん広がっていきルーク達の意識が遠のいていく。

本当にヤバい！と皆が冷や汗を流したその時だった。

ヒュッ！！

ヴィ「なにっ！？」

「おー？」

シュン！
シュン！！

ヴィ「くっ！？おのれ……邪魔をするな……！」

「おー………」

グ「それどういう感情なんだゾ？」

突然、現れた黒い影がヴィルの近くを飛び回りまるで彼からの攻撃から守ってくれているようでカリムはじーとその影を見つめ、ある事に気づいた。

カ「あ、あれは……魔法の絨毯！？どうしてここに！？」

ル「もしかして……」

ジ「まったく、こんなことだろうと思ったよ」

謎の黒い影の正体………それはスカラビア寮で見た魔法の絨毯で絨毯の上に乗っているのは呆れた顔をしているジャミルだった。

ジ「みんな乗れ！」

カ「ジャミル！！」

「ドッカーン先輩！」

ジ「誰がドッカーンだ！！」

グ「とりあえず逃げるんだゾ！！」

ビューーーン！！

怒るジャミルを見ながらグリムが叫ぶと、皆は一斉に絨毯に飛び乗りそのまま会場に向かう。
残されたヴィルは黒い墨を辺りに撒き散らしながら絨毯が飛んでいった方を睨みつけていた。

ヴィ「逃がすものですか……！」

バサッ！

ーパープルステージー

ざぁあああ！

ル「さきほどまで晴天だったのに。激しく荒れ狂う空……まるでヴィルの心を映したかのようだ」

カ「ジャミル、スタッフや生徒のみんなを避難させねぇと！……って、アレッ？あれだけたくさんいたスタッフが、誰もいない！？」

「いや〜常にカッパ持ち歩いててよかった〜」

ジ「なんのために？」

会場に出ると、リハーサルの時は雲１つない青空だったのか今はけたたましい音をたてて雷雨が降っていた。

カリムは慌てて人を避難するよう呼びかけるが、彼の言うように会場には誰もいない。

ジ「お前の突拍子もない行動のフォローをし続けて何年になると思ってるんだ。とっくに全員、外に避難させた！」

「おやおや、ま〜た悪い事でもしたんです？」

ジ「ああ？」

カ「ど、どうやったんだジャミル？」