歪みの国の少年少女 13 (ページ8)

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美貌の圧制者 95 ページ8

ジ「どれだけカリムに対抗したいんだお前は……後、本人に何を言ってもその思いは伝わらないと思うぞ……ん？」

なぜか、カリムを睨みつけるAを見てジャミルがため息混じりにそう言うとカリムをじっと見るエース達に気づく。

3人「「「…………………………」」」

ジ「どうしたんだお前達？」

エ「いや……あのーカリム先輩。逆になんで毒なんかに気づけるんすか？」

「気合と根性」

エ「お前には聞いてねえよ」

カ「ん？ああー昔、飯に入ってたことがあって」

3人「「「えぇっ！？」」」

コソッ
グ「そのせいで、オレ様もホリデーに毒味させられたんだゾ」

「美味かったな」

エ「え？毒が？」

グ「食べてねえ！！」

カ「何度かひでー目にあってさぁ、そのうち飯の度に「これ、食べて大丈夫か？」とか疑うようになっちまって。でも料理人や同じテーブルについてる誰かを疑いながら食べるより、美味しく楽しく食べたいじゃんか」

デュ「そ、それはそうですけど」

カ「「これは毒が入ってない」って先にわかってればちゃんと味わって食えるし、もし口に入れてもすぐヤバいと気づけたら取り返しがつかないことにはならないだろ？オレも、相手もさ」

エペ「相手も………って？」

カ「例えば犯人が後から「間違ったことをした」って反省した時、オレがこの世にいなかったら取り返しがつかない。過ちに気付けたのに、名誉挽回のチャンスがないなんて…………そんなの、オレはヤだよ」

ジ「…………………………」

嫌味なんて全くなく、キラキラと眩しい笑顔でそう言ってのけるカリム。
そんなカリムにジャミルは複雑な顔をして腕を組みながら彼を見ていた。

カ「それに……オレ、さっきAが言ってた「呪いが怖くて飯が食えるか！」だっけ？後、初めてスカラビア寮に来てくれた時も「毒が怖くて飯が食えるか！」って言葉。オレすげー好きでさ！確かに、警戒しなくて飯を食えるのって凄いもんな！食事って生きていく上で大事な事だし本当に食事が好きって事がわかるんだ！！オレもその気持ちを大事にしたいからAには感謝してるよ、ありがとなA！！」

「感謝してるならアジーム家の財産全て渡せや」

カ「それは無理だ！」

「ふざけんなカリム・アルアジーム！！」

ブンブン！！

カ「Aは今日も元気だな！」

Aの方を見て、力強く拳を握ってそう言うカリムに対しAは冷めた目で彼に財産を寄越せと言うも、カリムはバッサリと拒否をする。