美貌の圧制者 126 ページ39
ジ「余計な事を言うな！！」
ク「さて、練習の邪魔にならないよう私はこのへんで。みなさん、頑張ってくださいね」
コツコツ……
ぴ「ばいば〜い」
ヴィ「さ、それじゃあ練習を再開するわよ」
全員「ハイ！！！」
グ「なんか、最初の頃のちぐはぐ具合が嘘みてぇんだゾ」
「まるで僕とカリム・アルアジームさんの心の距離のようだ」
グ「オメーらの場合はちぐはぐ所か弾いてばっかなんだゾ」
ーオンボロ寮 自分の部屋ー
その日はあっという間に過ぎていき、気づけばA達は自室のベッドの上にいた。
グリムとぴぃ助は相変わらず寝相が悪くすやすやと深く眠っている。
グ「ぷひゅ〜……………ぷひゅ〜……………」
ぴ「すぴぃ〜………すぴぃ〜…………」
「そういやあれからミッキーが現れなくなったが……………鏡叩き割ったら出てくるか？」
鏡の前に立ち、静かに拳を握りしめて真顔で言い放つAだったが誰にも突っ込まれず虚しくなったので何気なしに窓を見つめてみた。
窓の無効では、小さな光の粒が夜空に輝く星のように飛び交っており神秘的な空間になっている。
すると、オンボロ寮の庭で人影が通っていく。
「ん……？あれは………」
ーオンボロ寮 玄関ー
ツノ「…………………」
ピィーーー！！！
ツノ「！！？」
「何してんだツノ太郎」
ツノ「それはこっちの台詞だ、ヒトの子。いきなり何をする」
「不審者かと思って笛鳴らした」
ツノ(不審者………)
オンボロ寮の玄関前で立ち尽くしていたツノ太郎は、突然鳴り響く笛の音に肩をビクッとさせて後ろを振り向けばそこには真顔で笛を持って立つAがいて彼女を凝視した。
そして、不審者と呼ばれた事に複雑な心境になったが小さく微笑む。
ツノ「それにしても久しぶりだな、ヒトの子よ。変わりないか？」
「僕の顔がここ何週間かでピッカピカになったぞ」
パァアア！！
ツノ「そうだな、何か明るくなっているな。いや、明るすぎて顔が見えない」
Aの輝きすぎる顔を見れてはいないが彼女のいる方を向いて、何とか目を開けながら言うとしばらくしてAの輝きが失せて、いつもの真顔が現れた。
ツノ「本当にお前は………いつも楽しそうでなによりだ」
リリ“今日はお主にさるお方からのホリデーカードを届けに参った”
すると、Aはホリデー中に突然リリアが来てホリデーカードを渡された事を思い出した。
「ツノ太郎」
ツノ「なんだ？」
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