美貌の圧制者 92 ページ4
「ミッキー……何味のカップ麺が好みなんだろうか」
どっかから“それは絶対違うだろ！”と突っ込みが入りそうな一言を呟いたA。
すると、脳裏にクロウリーと入学式であった時の会話を思い出した。
ク“しかし本当に性別が変わったり記憶喪失だなんて………貴女、嘘ついてるんじゃないでしょうね？”
“そんな胡散臭い格好した人に嘘なんかつきませんよ全く”
ク“私胡散臭くありませんから！！しかしこうなってくると貴女が何らかのトラブルで別の惑星………あるいは異世界から招集された可能性が出てきましたね”
“………………異世界？”
「……異世界、ねえ………」
小さくその言葉を繰り返し、Aは自分を映す鏡に手を伸ばして自分の偽りの顔に触れる。
そして、一息ついて口を開いた。
「僕は一体……なんなんだろうな」
翌朝
「ZZZZZZZZZ」
バン！！
ル「ボンジュール！Aくん、ぴぃ助くん。すがすがしい朝だね、今日から朝練を行うよ。ポムフィオーレのボールルームへおいで………おや？」
一応(？)女性がいる部屋だと言うのに容赦なく部屋に入ってきては堂々とした姿でそう言うルーク。
だが、何の返事もなく静かな空間にルームは首を傾げてベッドを見ると頭から足までしっかり、布団をかぶっていた。
普通の人間ならこの後、布団にくるまって人物がヤバイ人間なら黙って部屋を出ていくだろう。
だが、ルークはそうじゃなかった。
グイッ！
ル「さあ、2人とも……目覚めの時だよ！！」
バサッ！
ル「な！？これは……」
勢いよく布団をめくったルーク。
だが、彼は布団をのけられたベッドを見て目を丸くする。
なぜならそこには誰もいなかったからだ。
ル「どうして……Aくん！ぴぃ助くん！どこにいるんだい！？私の負けだ、出てきておくれ」
「うぃーす」
バッ！
ル「！？」
ルークが降参と言うと、呑気な声の返事が響き床に着地するA。
どこからか降ってきたAの登場にルークはさらに目を丸くした。
ちなみに、ぴぃ助は彼女の肩に乗ってまだ寝ている。
ル「Aくん……一体どこから……？」
「天井に張り付いてました」
ル「天井に張り付いていた！？マーベラス！私が布団をめくったと同時に天井まで飛んであの数秒間静かにしていたなんて……素晴らしい身体能力！まさしくボーテだよAくん！！」
「先輩、朝からテンション高いですね」
ル「Aくん……よかったらその技」
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