美貌の圧制者 105 ページ18
グデュ「「うわっ！！？？」」
デュースが上手く伝えられず悔しげにしていると、いつからそこにいたのか満面の笑みでそう言うルークと相変わらず元気なカリムがいた。
2人の登場にグリムもデュースも目を丸くして驚くが、Aは再びタオルを濡らしてくると勢いよくカリムに投げつける。
「お前はこれでもくらってろ！！」
ブン！！
カ「おっと！」
スッ！
グデュ「「避けた！？」」
ル「実に軽やかな動きだね、カリムくん」
カ「Aわりぃ！タオル取りそこねちまった。すぐ拾うからな！」
「顔面で受け止めろよぉおお！！」
カ「え？顔で取らないとダメだったのか？」
デュ「いや……避けてもらって大丈夫です。それはそうとハント先輩とアジーム先輩、どうしてここに？」
悔しがるAを見て心配するカリムにデュースは突っ込んだ後、なぜ2人がここにいるのかと問う。
すると、カリムが笑顔のまま口を開いた。
カ「そろそろダンスレッスンを再開するから様子を見に来たんだ」
ル「ボールルームには戻れそうかい？」
「Go to Ballroom！」
デュ「………………僕、戻ってもいいんでしょうか？」
カ「え？あたりまえだろ」
なぜかそんな事を言い出すデュースにカリムは戸惑いながら否定するも、デュースはポツリと呟くように話を続けた。
デュ「シェーンハイト先輩にも言われたけど、足を引っ張ってる自覚はあるんです。メンバーには選ばれたからには頑張ろうと思ってる。でも、このままじゃ…………」
ル「うぬぼれてはいけない、ムシュー・スペード」
デュ「！」
ル「キミたちはまだ、卵の中の雛鳥も同然。殻も破っていないうちから自分の限界を決めてしまうのはナンセンスだ。美しい
デュ「ハント先輩……………」
「………………なんかの本を丸暗記しました？」
カ「ええ！？今のルークの言葉、本の内容を丸暗記したのか！？スゲーなルーク！！」
デュ「やめろ！そう言う事を言うな！！アジーム先輩もなんで素直に信じてるんですか！？ハント先輩に失礼ですよ！すんませんハント先輩！！」
ル「ふふふ、私の話した内容が本に書いてあるように思ってくれたのは光栄だよ。ただ、今のは私の嘘偽りのない本心さ。それに、私にはずっと聞こえているんだ。コツコツと硬い殻を破ろうと奮闘するキミたちのくちばしの音がね。知っているかい？卵の中にいる雛鳥は………」
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