美貌の圧制者 101 ページ14
「“いつもの”…………ハッ！拳と拳で己を示す取っ組み合い！！」
エ「んなわけねえだろ！適当な事言うんじゃねえよ！！」
ル「いや、あながち間違いじゃないよ」
エ「間違いじゃないの！？」
ル「でも、Aくん。大丈夫だよ。これは喧嘩ではないから」
「あ、そうっすか」
エ「すんげえ興味なさそう」
ただならぬ雰囲気に皆が冷や汗をかく中、ルークは優しい笑顔でそう言うがイマイチ信用ならない。
ボソッ
ジ「どう見ても一触即発の空気ですが………」
ル「まあ、みておいで」
ぴ「エペルン………」
ぎゅうううう！！！
グ「ぎにゃああああ！？オイぴぃ助！オレ様の尻尾掴むんじゃねえんだゾ！しかも力強！！」
ヴィ「さあ、マジカルペンをとりなさい。エペル」
エペ「……………今日こそは、絶対に勝ってやる！」
デュ「って、やっぱ喧嘩じゃないですか！？」
デュースが叫ぶ傍ら、優雅にマジカルペンを出して構えるヴィルを睨みつけながら同じようにマジカルペンを取り出すエペル。
そして………………
ドゴッ！！
エペ「ぐはっ！……ゲホゲホッ！」
ヴィ「はい、今日もアタシの勝ち。今のアンタは可愛くも強くもない毒を持たないただの林檎ちゃん。そんなことじゃ、いつまでたってもアタシに傷1つつけられないわよ」
エ「うわ、きっつ……………」
グ「ポムフィオーレって実はサバナクローより体育会系なんだゾ…………」
ぴ「ぴぃ…………」
「…………………………」
瞬殺でやられ、座り込んでは咽るエペルを見下ろすヴィルに空気は一気に下がっていく。
珍しく何も話さず彼らをじっと見つめるA。すると、カリムが慌てて2人の間に入った。
カ「おいおい、ヴィル。エペルはまだ1年生だろ？少しは手加減してやれよ。お前に勝てるヤツなんて、この学園でもそうそういないんだし」
ヴィ「カリム、アンタは黙ってて。いいこと、エペル。初めて会った日にも言ったけど………自分の思うままにふるまいたいなら強く、美しくなりなさい。子どもじみた駄々をこねるのはやめてレッスンに戻るのよ」
エペ「じ、じくじょお………………っ！！俺は、俺は……………ううっ！」
バタバタッ………………
ヴィルの圧倒的強さを見せつけられ、エペルは歯を食いしばり涙をためると勢いよくボールルームから出ていった。
デュ「あっエペル！」
ぴ「エペルンまって〜！」
ガチャン！！
ドン！！
ぴ「ぴぃ！？ぴえええ〜！」
グ「オメーは何してんだゾ！？」
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