美貌の圧制者 100 ページ13
エ「お前は最初から多少の事にはビビらねえしダイヤのメンタルの持ち主だろうが！！」
そんなやり取りをA達がしている中、ヴィルのエペルしごきは止まらない。
ヴィ「アンタ、バレエのレッスンでなにを学んだの？固定観念を捨てなさいとは言ったけどヤケクソになれとは言ってない。歌詞の意味を理解しないまま歌わないで、これは誰かに媚びを売るための歌じゃないの」
エペ「でも、これが僕のできる精一杯の“愛らしさ”で…………」
ヴィ「愛らしさとぶりっこは別物よ。そんなことで、あのネージュを仕留められると思ってるの？さあ、はじめからもう一度！」
ヴィルがエペルに叱りつけようにいい、再度練習させようとしたその時
エペルの表情が変わった。
エペ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ俺は、っ………俺は、可愛くなんかなりたくないっ！」
ヴィ「は？」
「え？嫌味？」
エ「しぃ！！」
エペ「ポムフィオーレなんかに入りたくなかったし、『ボーカル＆ダンスチャンピオンシップ』にだって出たくねえ！俺は、こんなお遊戯するためじゃなく、強くなるためにナイトレイブンカレッジに来たんだ！俺がなりてぇのは、なよっちい男でなぐで、たげでがぐで、たげ強ぐで、たげ
ヴィ「呆れた、思い通りにならないからって癇癪を起こしていいのは3歳児までじゃなくって？」
「じゃあ、ぴぃ助は0歳児だからまだセーフだな」
ジ「別に癇癪してもいいって話じゃない」
ぴ「ぴぃ……ぴぃちゅけおとなだもん！！でゅーちゅよりかちこいもん！！」
デュ「ぴぃ助！？」
ヴィ「アンタは“愛らしい”と“強い”が別もののように話すけど、その2つはどちらも等しく“パワー”よ。それがわからないようじゃ、いつまでたってもアンタはアタシに勝てない」
エペ「うるさいっ！もういい、もうやめる」
ヴィルの言葉を遮るようにエペルは大きな声を出すと、キッパリとそう言う。
エペ「俺は、このチームを抜ける！！！」
全員「えぇっ！？」
「何を言ってるんだエペル！そんなの許さないぞ！！」
グ「A……！」
エペ「外野は黙ってろ！！」
「だって約束したじゃないか……2人で最強のバレリーナになろうって！！」
エペ「んな約束してねえ！！」
グ「やっぱりAはAだった！！」
謎のやり取りを目の前で繰り広げられ、ヴィルはため息をつくと話を続けた。
ヴィ「……いいでしょう。じゃあ“いつもの”を始めましょうか」
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