美貌の圧制者 99 ページ12
ヴィ「フン、このくらいで騒がないで。まだまだメインもコーラスもガチャガチャ。メインも音を外してたし、コーラスは前に出過ぎ」
エ「せっかく頑張ってんのに前に出ちゃだめ？コーラスって想像より難しいな。あーオレもメインボーカルがよかった」
「じゃあ僕が代わってやろうか、今日から僕がエース・トラッポラだ！(エース声)」
エ「やめろ」
ヴィ「新ジャガ1号」
不満があるエースの言葉を聞き、Aがエースの声真似で彼の真似をしているとヴィルがエースに近づいた。
ヴィ「コーラスの重要性がわかってないようじゃ、メインボーカルへの道は7つの輝く丘の彼方より遠いわよ。メインとコーラス、どっちが調和を乱しても美しく聞こえない。心しなさい」
エ「うぃーす、頑張りまーす」
「やる気あんのか」
エ「お前よりあるわ」
なぜか、体操着を着てフラフープをしているAがそう言うとエースは彼女の方を見ずに答えた。
ヴィ「本番では踊りながらの歌唱になる、難易度はぐんと上がるわ。さあ、次はダンスのレッスンよ。始めましょう」
それからメンバーはダンスのレッスンに取り掛かり、昨日別メニューを言い渡されたエペルとデュースはバレエの特訓をしている傍らAは5本のフラフープを回していた。
そんな特訓が数日続いたある日の事、事件は起こったのだ。
エペ「いつか〜林檎のような赤〜朽ちてく〜♪誰も超えられない……」
ヴィ「ああもう、ダメ、ダメ！いったん音止めて」
「へい」
ヒュン！
エ「いや、風圧で音消すってスゲーな」
デュ「言ってる場合か………」
メインボーカルを担当するエペルが歌のレッスンをしている途中、ヴィルが大きな声でそう言い音を消すとルークが彼に近づく。
ル「どうしたんだい、ヴィル」
ヴィ「エペル！！！」
エペ「は、はいっ………！」
ボソッ
エ「うわ出た、エペルしごき。ああも毎日だとさすがに可哀想になってくるわ」
ボソッ
デュ「エペルはメインボーカルだし、それだけ期待をされてるってことだろうが……」
ボソッ
グ「オレ様、「音止めて」って言われるたびにしっぽが後ろ足の間に入っちまうようになってきたんだゾ」
ぴ「ぴぃ…なんでよ！？エペルンなにもわるいことちてないよ！！」
グ「しー！！あんまり大きい声出すんじゃないんだゾ！！オレ様達もヴィルに叱られるだろ！！」
「ふ、あれも教育の一種。だんだん鋼のメンタルに変わっていくものだ。僕も多少の事にはビビらなくなったからな」
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