熱砂の星２ (ページ49)

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星91 ページ49

6枚羽の巨大な鴉に姿を変えることができら陽が昇るよりも先に早く飛ぶ事ができる吸血鬼なのだ。

どういう経緯でそうなったのかは不明だが、ステラの言うように人間の女性、しかも退治人(ハンター)の元で家事手伝いをしている。

？「あ〜ステラちゃん久しぶりだね〜いつもうちの孫からステラちゃんの事聞いててねぇ。いつお嫁に来てくれるの？」

ドラ「なんだと！？お前の孫まだそんな事言ってるのか！？ステラは嫁に出さん！！」

イシ「頑固親父か」

「エルダー様、今日もグールの姿なの？」

エル「いやいや、ちゃあんと中にいるよ。ほら」

ステラに手を振りニコニコ近づいてくるのは“屍商人”エルダー。
巨大な体を持ち、骸骨のような恐ろしい顔を持つ吸血鬼だ。

彼はグールを生み出すだけでなく、無限の軍勢をも簡単に生成し得る能力を持つ。
ただ、その姿すらグールでありグパァアと奇妙な音を鳴らして胸元が開くとそこには整った顔立ちの吸血鬼が入っていた。

ちなみに、彼は以前登場した吸血鬼マナー違反、マナブの始祖にあたる吸血鬼でもある。

エル「ステラちゃん見たいな可愛い吸血鬼がうちの孫と結婚してくれたら一族も安泰なのにな〜」

「マナブはいつもステラに結婚しようって言ってくるけど、ステラはヤダ」

エル「孫……………」

バッサリと切るステラにエルダーはグールを従えニヤニヤ笑う孫の顔を思い浮かべては哀れんだ顔をする。

すると、優しく微笑む紳士的な男性が口を開いた。

？「ですが、エルダーの気持ちはわかりますよ。私の息子もステラさんのような愛らしいお嫁さんをもらえたら」

「ディック様久しぶりだね！」

ディ「お久しぶりです」

紳士的な吸血鬼、“揺らぐ影”ディックは獣に虫、草木に霧、さらには月にすら化ける能力を持つ吸血鬼だ。
余談だが彼にも吸血鬼の息子がいる。

ドラ「ディックまで何を言うか！うちの可愛いステラをそんじょそこらの男には渡さん！！」

ディ「そんな本気にしなくても………」

ヴェ「……ちなみに聞くが、それは貴様の息子とステラのためを思っての発言か？」

ディ「当たり前です、吸血鬼にとって一族の繁栄は大事な事ですよ……しかも…義父と息子の嫁ってなんかえろ」

ドラ「下心満載じゃねえか！！」

ドゴォオオ！！

ディ「ぶげえ！？」

真顔で言い切る前にディックの顔面を殴りつけるドラウス。
その間、ノースディンがステラの耳を塞いだ。