熱砂の星２ (ページ48)

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星90 ページ48

？「よし、予定が空いたからタピオカ買いに行こ」

？「ハゲ！！」

ドラ「うえーーん！誰も聞いてくれない！！ていうか最後にハゲっつったの誰だ！？お前がハゲ！！」

かなりの年数を生き抜いてきた古い伝統ある純血の吸血鬼達の会話ではなく、まるで小学生のような会話をしているが彼らは常にこんな感じだ。

そんな光景をステラが不思議なものを見るように眺めていると、6人のうちの一人が彼女に気づく。

？「おや、これはこれは噂の……」

ドラ「ステラ！どうしてここに？」

「大きな声でお話が聞こえてきたから何かなって思って来たの。ドラウス叔父様達は何してるの？」

ドラ「古き血の吸血鬼達の集まりだよ、こうして定期的に集まって話し合いをするんだ」

ドラウスは可愛い姪っ子の登場になるべくキリッとした表情で、彼女の頭をなでながらそんな事を言うがぶっちゃけデレデレしているのであまり意味がない。

そんな彼を古き血の吸血鬼達は冷たい眼差しで見つめていた。

？「さて、姪っ子に気持ち悪い顔をしている奴はさておき」

ドラ「そんな顔してない！！」

？「どこの可憐な乙女が入ってきたかと思えばステラじゃないか。また1段と綺麗になったね」

「ノースディンおじ様！」

整った顔立ちで優しく甘い声で話しかけるのは、ドラウスの友人(？)である“氷笑卿(ひょうしょうきょう)”ノースディン。
冷気を操る吸血鬼だ。

ちなみにドラルクとステラの師匠でもある。

？「お前も大概だらしない顔をしてるぞ、久しぶりだなステラ。これ、土産にストロベリータピオカ、若い人間の女に人気があるらしい」

「わあ！ありがとうイシカナ様！」

ステラの腰に手を回して、彼女の手の甲に唇を寄せるノースディンを見て呆れながらも彼女にタピオカを手渡すのは“不滅の炎”イシカナ。
中性的な容姿をしていて、吸血鬼の大敵でもある炎を自在に操る事ができる強者だ。

なぜか、最近はタピオカにハマりタピオカを操る事も可能らしい。

イシ「うんうん、素直のはいい事だな」

？「しかし……純粋たる竜の一族の吸血鬼である娘がすっかり人間の世界に入り浸るのはいかなものかと……」

「あ、ヴェントルー様。最近人間の女の人の家で尻に引かれて家政婦如く馬車馬のように働いてるって本当？」

ヴェ「ドラウスぅううう！！！」

ドラ「いや俺じゃない！話したの俺じゃない！！」

ため息をついた“日蝕の大鴉”ヴェントルーは、今は普通の姿だが