熱砂の星２ (ページ17)

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星60 ページ17

しばらく、お互いそのままの態勢で話さないでいるとジャミルは気がおさまったのかゆっくり彼女から離れた。

ジ「急に悪かった」

「………ううん、気が済んだ？」

ジ「ああ………」

「…………ジャミル、ステラ今日は帰るね」

ジ「！？」

「ドラルクおじ様たちに謝ってくる……このまま喧嘩したままなの嫌だから」

ジ「………そうか、わかった」

ジャミルがそれ以上は何も言わず、俯きながら言うのを見てステラは鏡を取りロナルドの事務所に帰ろうとした。
その瞬間

ガシッ！

ジ「ちょっと待ってくれ」

「わ！？……ジャミル？」

ジ「俺はステラの味方だ」

「え？」

ジ「今日みたいに嫌な事があったら………俺が聞いてやる…………だから………また抱きしてくれないか？」

帰る直前で腕を掴まれたかと思えば、真剣な表情で言われステラはしばらく彼を見つめていたがニコッと笑った。

「いいよ！だってジャミルとステラは友達だもん！！」

ジ「そうだな………さあ、早く仲直りしてこい」

「うん！今日はありがとう！！あ、カリムにもよろしくね！」

ジ「…………ああ」

パァアア！！

カリムの名前が彼女の口から出た瞬間、ジャミルは不機嫌になるも彼女は気づかずに鏡に吸い込まれるように消えていった。

彼女が消えたのを見届けるとジャミルは壁に拳を叩きつける。

ドン！！

ジ「カリム……カリムに渡してたまるか！！」

「………ただい……ん？」

3人「「「たいへん、申し訳ありませんでした！！！」」」

ジョ「ヌ、ヌヌ〜！！」

ヒ「あ、ステラ帰ってきたのか？もぐもぐ」

ステラは少し緊張していたが何とか深呼吸をして事務所に入ると床に頭をこすりつけながら大きな声で謝罪をする3人とその3人の近くで泣きながら頭を下げるジョン、そしてテーブルに置かれたクッキーを食べながらそう言ってくるヒナイチを見て思わずキョトンとした。

「………どうしたの？みんな………」

ヒ「出ていったステラを見て、こいつらまた騒ぎ出したから私が「そんな事をしたって、ステラに嫌われる一方だぞ。それでいいのか！」って怒ったんだ。そしたら大人しくなって必死に謝ろうとって話になった」

「…………………もういいよ」

3人「「「！！？」」」

ジョ「ヌ！？」

「ステラも言い過ぎたしやりすぎたよ…………ジャミルの事、あんなにバカにされたの、許さないけど………」

3人「「「………………………………」」」