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百三十話 ページ38

貴)「ここって…!」

西)「せやで!覚えてくれとったんや〜」

スペインに連れてこられたのはジェラート屋さんだった。そう、付き合う前に来たお店…であろうところである。

貴)「ほんとにここ、あの時来たお店?」

西)「俺が言っとんやから違う筈なやんか」

笑いながらスペインが答える。すごい、まだ残ってるなんて…。

西)「今はあのおばちゃんの何代目かの孫がついでんねんけどな」

そういいながらスペインはお店の人に注文をした。

西)「おっちゃーん、トマト味とレモン味ひとつずつ!」

「ハイよ!ちょいまちいや」

するとすぐにスペインがジェラートを二つ持って出てきた。赤いジェラートと黄色いジェラート。

そして黄色の方を私に手渡してくる。

貴)「ありがと」

うけとってそのまま近くのベンチに向かった。

貴)「じゃあ…いただきます」

ぱくり、と口に含む。

甘い、でもちょっとすっぱい。

貴)「ん〜、やっぱりジェラートはレモン味がおいしい!!」

西)「え〜、断然トマト味やって!」

貴)「どっちもおいしいからいいのよ」

食に関しては私は基本張り合う気はない。

まあ…ね、ほら。

命の危機を感じる時以外はね?


だから兄さんが目玉焼きに練乳かけるとか言い出したのを全力で止めた私はきっと間違っていないはず…。

あとカレーにチョコレートとツバメの巣を入れようとした時もね?


うん、間違ってない…たぶん…。


西)「A!ジェラート!」

貴)「うい?」

西)「めっちゃとけとるで」

貴)「のわっ!?」

ボーっとしていたからか黄色い液が腕を伝っていた。

貴)「あーー、ハンカチハンカチ」

拭こうと思ってカバンの中を探っていた



…らスペインが汚れている手の方をとった。


貴)「スペイン?」


そして



そのままなんの迷いもなく躊躇もせずに垂れてるレモンジェラートを舐めやがった。


貴)「は、え、ちょ…!?」

西)「やっぱレモン味もなかなかいけるもんやんなぁ」


ああ、そうでございますか


……でなくて!!

貴)「ちょ、何して!?」


西)「え?なんかジェラート伝っとるAごっつえろいやんなぁ思いよったら体が勝手に…」


貴)「人!!人いる!!」


幸い誰にも見られてないけど!


西)「それって人おらんかったらやってもええっていうこと?」

貴)「そりゃ一人目あるとこじゃ…って、でもなくて!」

まてまてまて会話がおかしいぞおい。

西)「も〜、真っ赤になってもうて…トマトみたい」

貴)「誰のせいだ」

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ミーヒュン - 読み終わった時の脱力感が凄いですwできれば結婚式のお話しも見てみたいです!無理言ってすいません…でもとっても面白かったです! (2018年1月5日 13時) (レス) id: b9f8ebbe78 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 夜な夜なこのお話を見つけ、寝ることも忘れ一気に読んでしまいました…。なんというか、「愛って素晴らしいなぁ…」と思いました(笑)これは普通の話としても本当に素晴らしいと思いました!!こんな素敵なお話をありがとうございました!><*  長文失礼しました!! (2016年7月23日 1時) (レス) id: 69e5030aaf (このIDを非表示/違反報告)
艦これ好きのクソ提督 - なんだ…ただの神でしたか……((血涙&鼻血 (2016年2月1日 3時) (レス) id: 51475e2470 (このIDを非表示/違反報告)
キクハル@(プロフ) - makiさん» 兄ちゃんが暴走しても抑止力(英&洪)がいるから! (2015年9月22日 8時) (レス) id: 45457549ea (このIDを非表示/違反報告)
キクハル@(プロフ) - いさべるさん» 親分かっこいいですよね! (2015年9月22日 8時) (レス) id: 45457549ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キクハル@ | 作成日時:2014年10月22日 22時

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