百十七話 ページ25
ああ眠い、ああ無情。なんか自分でも何言ってんだがわかんなくなってきた。ははは。
英)「…おい」
貴)「どわっ?!」
声に驚いて振り返るとそこには兄さんがいた。
貴)「兄さん……起きてたんですか?まだ4時ですよ?」
英)「俺から言わせればもう四時だ。どうせお前、また仕事とかで寝てないんだろう」
貴)「………すんません」
英)「ったくよお」
兄さんはテーブルの向かい側の席に座って手を出してきた。
貴)「……え?」
英)「仕事、ハンコ押すくらいなら俺にもできるだろう。お前はそっちの書類をやっとけ」
そういって兄さんは私の机にある山を一束ぶんどった。
英)「ここに押せばいいのか?」
貴)「あ、はい。えっと…なんかすみません」
英)「いや、いい。それに…こうしてると昔に戻ったみてえだからな」
にこりと笑った兄さんの顔に、少し心がドキリと動いた。
貴)「あ、そう…ですね」
英)「とっとと終わらせるぞ」
眈々と作業を始めてた兄さんをみて、私も慌てて作業に移る。ああ、えーっとこの計算か。…なんで最後に計算残したのよわたしゃ。馬鹿なのか。
英)「…そういえば」
スタンプを押しながら兄さんが話しかけてくる。
貴)「はい?」
英)「お前……スペインとはどこまでいってる?」
貴)「………えーっと、それはどういう意味で」
英)「そのまんまだ」
貴)「……ご想像にお任せします」
仏)「そりゃあもうすることまでしてるでしょう」
うわ……
貴)「いらん人が湧いて出た」
仏)「わくとかいわないで」
英)「おいヒゲ、なんでお前がそんなことわかるんだよ」
少し拳の震えている兄さんがフランスさんに尋ねる。
仏)「そんなのお前、考えればわかるだろう?恋人と一つ屋根のした。それであの我慢はする方じゃないタイプのスペインだ。それにお兄さん、スペインからいろいろ聞いてし」
貴)「い、いろいろって!いろいろって!」
顔が赤くなる。あの鈍感トマト、どこまで話しやがった。
英)「フランス」
仏)「え?」
英)「一発殴らせろ」
仏)「え、まって。お兄さんなんも悪くな」
目の前でフランスさんがとんだ。宙をまっている。てかあの鈍感トマトはどこまで話して…。
英)「おいA」
貴)「はい……」
英)「おれはお前らの関係には口出ししねえ」
貴)「……」
英)「ただし、泣かされたらぜってえ俺にいえ」
貴)「はい」
よかった。目がすごいから殺されるかと思った。
英)「じゃあ仕事続きするか」
貴)「はい!」
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ミーヒュン - 読み終わった時の脱力感が凄いですwできれば結婚式のお話しも見てみたいです!無理言ってすいません…でもとっても面白かったです! (2018年1月5日 13時) (レス) id: b9f8ebbe78 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 夜な夜なこのお話を見つけ、寝ることも忘れ一気に読んでしまいました…。なんというか、「愛って素晴らしいなぁ…」と思いました(笑)これは普通の話としても本当に素晴らしいと思いました!!こんな素敵なお話をありがとうございました!><* 長文失礼しました!! (2016年7月23日 1時) (レス) id: 69e5030aaf (このIDを非表示/違反報告)
艦これ好きのクソ提督 - なんだ…ただの神でしたか……((血涙&鼻血 (2016年2月1日 3時) (レス) id: 51475e2470 (このIDを非表示/違反報告)
キクハル@(プロフ) - makiさん» 兄ちゃんが暴走しても抑止力(英&洪)がいるから! (2015年9月22日 8時) (レス) id: 45457549ea (このIDを非表示/違反報告)
キクハル@(プロフ) - いさべるさん» 親分かっこいいですよね! (2015年9月22日 8時) (レス) id: 45457549ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キクハル@ | 作成日時:2014年10月22日 22時