百五話 ページ12
300年ぶりだし、いろいろ見ながら歩くことにした。
私が縄を買おうとしていたお店はパン屋さんになっていた。っていうことはあそこのおじちゃん亡くなったのか…。
パン屋さんは若い2人の夫婦が経営してた。なんでも手作りにこだわってるらしくって、小麦とかも裏の畑で作ってるんだって!すごいなぁ〜。
他にもいろんなところが変わっていた。
あ、あそこ。昔はお菓子屋さんだったっけ。あそこのおばあちゃんにも会いたかったあ。こっちの洋服屋さん、昔は八百屋さんだったかな。
改めて300年の時の長さを思い知らされる。
わかっていることではあるけど、やっぱり私は取り残されちゃうんだな…。
………いや、だめだ。この考えナシ‼
これからの人たちとまた国を作って行くのに今のはダメだわ、過去を振りかえ………るなっていうのは流石にどうかなとと思うけど振り返ってる場合じゃないよね。
きりかえろ、私!
どんどん進むと広場が見えてきた。広場には子供も大人も集まっていて、みんなが笑って遊んだり話したりしていた。
でも私はその光景よりも、広場の真ん中にある物に目を奪われた。
貴)「………この噴水、のこってるんだ!」
広場の真ん中に象徴のように置かれている噴水。今でも覚えている。
この噴水は………
【この国とこの国の平和の象徴】
偉い人たちがギリギリだった予算をきりつめてきりつめて作ったものだ。式典もド派手に行われた。
周りの人たちに聞いて見たところ、前の世界大戦の時に激戦区だったにもかかわらず、7割形が残っていたらしい。
これが変わっていないことにほっとした。
この噴水にはみんなの思い出が詰まっている。
子供達はこの周りで遊んだり、水を飲んだりした。
大人達はこの水で農作物を作ったりした。
あとは……カップルとかにも人気のある場所だったよな。
……………今度、スペインつれてこよ。
かくいう私もこの噴水には思い出がたくさんある。
ここで国の人からいろんなことを教わったし、
偉い人と仕事から逃げてきたらいつもここで休んでた。
それでもやっぱり一番の思い出は
この噴水が完成したときの式典の日のことだろう。
あの日、私はアホなことに…………着ていく服がないのを忘れていたのだ。
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ミーヒュン - 読み終わった時の脱力感が凄いですwできれば結婚式のお話しも見てみたいです!無理言ってすいません…でもとっても面白かったです! (2018年1月5日 13時) (レス) id: b9f8ebbe78 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ(プロフ) - 夜な夜なこのお話を見つけ、寝ることも忘れ一気に読んでしまいました…。なんというか、「愛って素晴らしいなぁ…」と思いました(笑)これは普通の話としても本当に素晴らしいと思いました!!こんな素敵なお話をありがとうございました!><* 長文失礼しました!! (2016年7月23日 1時) (レス) id: 69e5030aaf (このIDを非表示/違反報告)
艦これ好きのクソ提督 - なんだ…ただの神でしたか……((血涙&鼻血 (2016年2月1日 3時) (レス) id: 51475e2470 (このIDを非表示/違反報告)
キクハル@(プロフ) - makiさん» 兄ちゃんが暴走しても抑止力(英&洪)がいるから! (2015年9月22日 8時) (レス) id: 45457549ea (このIDを非表示/違反報告)
キクハル@(プロフ) - いさべるさん» 親分かっこいいですよね! (2015年9月22日 8時) (レス) id: 45457549ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キクハル@ | 作成日時:2014年10月22日 22時