#13 ページ13
〆
慣れた道を歩いて花畑に着くと、
赤、黒、黄色、青、ピンク、紫
色とりどりの花たちがちょうど綺麗に咲いていた。
ここに来たのっていつぶりだったかなぁ。
岸くんが卒業したときだっけ?
岸くんには強がって見せたけど、隠れてここでしくしく泣いてたんだ、懐かしい。
風に揺れる花たちと、誰もいない空間。
いつ見てもここの景色は、
心を浄化してくれるような、そんな気がする。
・
よしっ、木のところまで行こう。
そう決めて歩き出すと、不意にガサッと音がした。
?「…誰。」
『わっ!!!すいません!!!』
…あ、あれ?
すぐそばから声がしたはずなのに、辺りを見渡しても人影は一切ない…よね。
…って、思ったらすぐそばの花に埋もれて、何かがもぞもぞ動いてる。
あ、先約がいたのか。
寝っ転がってて顔も何も花たちに隠れて見えないから、全然わからなかった…。
一瞬、花が話しかけてきたのかと思っちゃった。
でも、
その人が起き上がって誰かわかった時の方がもっとびっくりした。
・
『…え?』
廉「…あ、海人と話してた子!」
そうなんです。
悩みの種がすぐ目の前にいました。
目を丸くして私を指さしてる彼は、
何度瞬きしても、目をこすっても、やっぱり廉さんだ。
廉「何してんの?王子様がこんなところいるわけないって?笑」
『え、あ、いや、そういうわけじゃ…
いや、やっぱりなんでこんな田舎に??』
失礼のないように振る舞わないと!って思っても、
やっぱり気になるものは気になる。
廉「ん?あぁー、聞きたい?」
『え、聞かないほうがいいですか…?』
廉「全然。からかっただけ笑」
本人は楽しそうに笑ってるけど、
私の頭の中は、こんなキャラでしたっけ?って困惑してる。
パーティーの時はもっときっちりとした紳士って雰囲気だったよね?
でも、こないだと違う一面が見れて、嬉しい。
スピーチの時に向けてた笑顔も素敵だったけど、
いま向けてくれてる笑顔の方が、私は好きだなって思う。
その笑顔を見てると、
胸の奥がギューって掴まれるような、そんな感覚にさせられる。
〆
818人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みさりん - 嵐ファンですがきんぷりも大好きです (2019年7月12日 19時) (レス) id: 15ade12b63 (このIDを非表示/違反報告)
李恋-リレン-(プロフ) - いちごみるく。さん» 可愛いですか!?初めて言われました!嬉しい(^-^)笑シンデレラガールの世界観っぽくなってたら嬉しいです◎ (2018年5月10日 21時) (レス) id: f803bf6e05 (このIDを非表示/違反報告)
李恋-リレン-(プロフ) - さくらさん» そんなに好きになってもらえて嬉しいです!笑ありがとうございます!更新頑張ります! (2018年5月10日 21時) (レス) id: f803bf6e05 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく。(プロフ) - この作品凄く可愛いくて大好きです!シンデレラガールを流しながら読んでます!!これからも更新楽しみにしてます。 (2018年5月9日 18時) (レス) id: 6ca3ba1c3c (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 何回評価おしても足りないぐらいです…笑今読んでる中で一番好きなやつです!更新頑張って下さい!! (2018年5月5日 3時) (レス) id: 83d52a6862 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ