評価泥棒

通知四十二件 ページ43

元はといえば私が原因なんだ。

亜空に嫉妬して、パスワードを解除して作品に悪戯ををして。

否、亜空が原因なのかな。

ムーンライトというサブ垢で私の作品に批評して。

批評は正しい行いだ。批評=悪口とかそういう解釈は最低だ。

やっぱり私が悪いんだ。私が。

ううん違う。

こんなことになったのは、亜空が占いツクールの作者側になろうと誘ってきたからだ。

火種を撒いたのは亜空。そしてそれに巻き込まれたのが私。

「自業自得だよね」

「え」

そんな言葉が上から聞こえてきて思わず顔を上げた。

そこにいたのは学級委員の礼子だった。

「ん？あぁ、美雪のことじゃないよ。亜空」

「亜空がどうかしたの？」

今は"亜空"とか"パペット"とかそうい単語に敏感だった。

あまり悟られないようにいつものように淡々としてみる。

「部活の後輩を虐めてたのがバレたんだって。それでスタメン外されたらしいの。短距離走」

「嗚呼、そうなんだ……。知らなかった……」

そういえば礼子は私の前の席だった。

礼子の席を囲んでいる女子たちは、亜空の話を中心に騒がしくなる。

＿＿占いツクールだけが原因じゃなさそうだ。

亜空が落ち込んでいる理由は。

通知四十三件→←通知四十一件

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す