評価泥棒

通知三十件 ページ31

この日は部活はoffだった。

陸上部はいつも通りあったが、亜空は占いツクールのために通院と装って部活を休むことにした。

亜空はピリピリしていた。否、イライラしているのかな？

薄笑いを浮かべながら、私は亜空の後ろに立っていた。

亜空は占いツクール利用者の四人を呼び出して教室の隅に追い詰めていた。

もうこれ脅迫レベルだよ。四人とも顔が蒼白になってる。

そりゃそうだよね。

急に呼び出されてこれだから。

私の場合、立場はどうなるんだろう。

亜空からしてみれば共犯者。

この四人からしてみれば協力者。

私からしてみれば傍観者。

＿＿一人逃げちゃダメか。

早く情報を聞き出さないと。

てか昨日の夜、LINEで亜空に情報を盗んでこいって命令したのに私がいてどうするの。

でも話をうまい具合にねじ曲げられるよりはマシか。

本当の話を自分の耳で聞いた方が説得力がある。

ここは見守るだけにしとこっか。

「パペットが誰だかわかる？」

誰も答えない。

亜空の友人は一人を除いて全員知らなかった。

唯一知っている友人とは優菜のことだ。

カールした髪を二つ縛りにして……キモい。

俯いて亜空から目を反らしているようにも見える。

「もう一度聞くよ？パペットは誰」

えぇ、確定じゃないのにこの中にパペット居るって決めつけちゃったよ。

私、知らないからね。

「答えてよ！」

亜空が怒鳴って、一番近かった優菜に手を振りかぶった。





．







．







．







「おい」

ドスのきいた一声。

この声って、あれじゃない？

亜空の大好きな…………。




飯塚蒼汰じゃない？

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