空っぽの瓶の中、愛をひとつ。【 Yuta.J 】 (ページ9)

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いっつも通りだ。

数学のおじさんのつまらないだじゃれも、

3時間目で空いてくるお腹も。

眠すぎる現代文も。

そんで、いつも通り昼休みが来て．

また、いつものベンチに来る．
見えたのは神宮寺…でも無く、私と昨日身体を重ねた、永瀬廉だった。

「 Aちゃんやん！やっほーっ」

相変わらず整った顔面で名前を呼んでくる。

『 …なに、』

「怖い顔せんといてや～！怖いわぁほんま、昨日はあんな気持ち良さそうに鳴いてくれたんに…なぁ？」

『何、言ってんの』

こんな事を言ってくるから、本当にタチが悪い．

「なあ、1人なん？じゃあさー「 1人じゃないよ、俺と食うから」

ほらまた、かっこよく登場して、かっこいい台詞を言って。

永瀬「 …誰や？お前」

神宮寺「神宮寺勇太。2-2．」

わあ、少女漫画展開。

永瀬「ふーん、まあええわ。じゃーな、Aちゃん」

『 … 』

永瀬「ひどいわー返事してや！じゃ、また遊ぼな」

ニヤリと笑って去って行く永瀬廉．

「Aちゃん、まだ身体の関係とか…続けてるの？」

私の隣に座る神宮寺くん。

『あー、まあね… 』

「俺じゃ、満たされない？」
初めて見た。こんな鋭い目つきをした神宮寺くん．

例えれば、男の子から男になった感じ。

『……なんか、ごめん』

「 Aちゃん、寂しい？1人が怖い？」

『え』

私の心を読まれているよう．

『 …だったら、ダメ？』

「んーん。じゃあさ、俺のこと嫌い？本音で言ってね、今後に関わるから」

それは多分、嫌いなら関わらないという意味だろう。

嫌いなわけ、無い．

『 …別、に嫌いじゃないよ』

「ん、そっか。じゃあさ、今日電話していい？毎日、一緒に昼休み過ごしていい？」

『うん… 』

優しく、綺麗な笑顔を見せる勇太。

まるで、王子様みたいだった