空っぽの瓶の中、愛をひとつ。【 Yuta.J 】 (ページ7)

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何を、迷ってる？別に特別嫌いな人に誘われているわけでも無いのに。

いつもなら即答だ、良いよって．

唾を飲み込む。
ジッと永瀬廉に見つめられて、思わずまた俯いて。

『 …今日は、ちょっと』

なんで？なんで私遠回しに断った？

自分がチョロすぎて気持ち悪い．

神宮寺勇太という名前が脳裏に浮かぶ。

ただ優しくされただけなのに、後ろめたくなる。

「あ～そっか！今日は違うヤツの相手せなあかんのか」

そんなこと、無い。

『違う… 』
何故か否定がしたくなる。

「あーそ、じゃ」

『あ、やっぱり…良いよ、行く』

「あ、マジ！よっしゃ、行こ』

永瀬廉に手を引かれる。

そうだよ、これで私だ．何を迷ってる？
そんなに神宮寺勇太に執着して、依存していたら離れた時辛いだけ。

ああ、ほんとに私はチョロすぎる。

( ( 神宮寺 side ) )

部活中、武道場の窓から見えた2人。

Aちゃんと、もう1人… 永瀬廉かな、

ズカズカと前を歩く永瀬廉と、引かれるAちゃん．

もしかして。

ホテルでも行こうとしているのだろうか．

…助けには、行けなかった。

何が、好きにならせるからだよ… 、

永瀬廉と思われるやつに、手を引かれるAちゃんの微妙そうな顔が忘れられなかった