空っぽの瓶の中、愛をひとつ。【 Yuta.J 】 (ページ25)

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そして冷たい雨の中ページ25

『 …… 』

気まづい沈黙の中、リビングで2人。

「あのさ、」

『な、なに』

「俺とお前ってただのセフレやん？」

『 …そうかもね』

「なんつーか、俺にとってはそれもただのじゃないっつーか… 」

首元をかきながら言う永瀬廉。

『…つまりどゆこと？』

「やから！俺にとってはお前はセフレ以上の関係やった」

それって、どんな関係だ？

『 … 』

良く分からず黙っていると、

永瀬廉が近づいて来た。

「好きやった、Aが」

行為中でも一度も言われなかった言葉。

『 …は』

「あーもう、Aが好きやったんやけど、なんか俺… なぜかセフレになって、」

『 …』

「とにかく、言いたい事は Aが好きや。彼女にしたい方の好き．けどもう、遅いよな…」

遅いって

『どういう意味？』

「だってお前、神宮寺の物やもん」

勇太の？そんなはずない。私は勇太に引かれた、嫌われた．

『違うと思うよ、だって私…』

「違わへんねん！残念やけど、もう…」

言葉の途中で、永瀬廉に口を挟まれる。

『 …勇太は、私を嫌いになった』

「嫌いになんかなってへんよ、アイツは」

あの目は…と小さく呟く永瀬廉。

『そんなこと …』
あって良いのか？

「俺はもう、どっかで道を間違えてもたから…やから…

お前はもう、神宮寺のもんや」