空っぽの瓶の中、愛をひとつ。【 Yuta.J 】 (ページ22)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:39,947 hit

・ページ22

『直接来るなんて珍しいよね』

「そうだね、ね今生理？」

目の前にいる奴は平野紫耀。

『それ、健全な女の子に聞いていいやつ？』

「 Aは健全じゃないじゃん」

『そんな事無いよ』

「まあいいや、生理でもなんでも．行こ」

平野紫耀は手を強く引っ張る。わざわざ下駄箱で待ち伏せなんてなんてずるいのか，

『 …どこに』

本当は分かってる。

「分かってるでしょ？」

ほてると口パクで言うキミ。

『嫌、離して』

「いやだね」

『離してよ！！！』

手を振り振り払おうとした。けど無理だった、無理に決まっていた。

平野紫耀がガタイが良い。
そもそも男の力に勝てるはずない。

歯を食いしばる。痛すぎるほどに、

『もう、こういう事しないって決めたの』

「何それ、やだ」

『だから離してよ』

「離さない」

ちっともときめかない。

『じゃあ、どうすればいいの』

「何それ？俺についてこればいいの」

『 …もういいよ』

手に使う力をゼロにした。

もう、無理だと悟った．

肩に冷たい水がポツンと落ちる。

雨だ、そう気づいた時には強く、降っていた．

『雨、』

「 ……」

手にあまり力が入っていないように感じる。

『ねえ、どこに向かってるの？』

ホテルじゃない、こっちは確か…
平野紫耀の家 …？、