空っぽの瓶の中、愛をひとつ。【 Yuta.J 】 (ページ12)

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すっかり遅くなってしまった。

勇太、帰っちゃって無いかな．

…なんておかしな話なんだろう。
約束をしているわけでも無いのに．私は、

なんて考えていたら、勇太はベンチに座っていた。

『勇太』

「ふふ、今日は俺が先だったね！」

隣においでと言うように隣をポンポンする勇太．

『うん、日直で』

「日直？俺に言ってくれれば手伝ったのに…LINEあるのにさ～」

もー！と言う勇太。どこまで優しいんだか．
本当にやめて欲しい、好きになっちゃいそうで。…まあ、そっちは好きにならせてマネージャーに戻って欲しいわけなんだよね

『ありがと、…委員長が手伝ってくれたから平気だった』

「え、委員長？誰？」

『岸優太』

「あー、うん．知ってる」

『なんで？有名？』

「まあ… イケメンだって。クラスの女子が話題にしてただけだよ」

『そうなんだあ』

私から見ると、勇太の方がイケメン．
確かに岸優太も顔は整っていた。

「ねえ、Aちゃん？」

『ん』

「他の男に目移りしないでね」

『何、言ってんの…
付き合っても無いのに』

「ゆくゆくはそうなるからっ」

『は、はぁ？』

♡ がつきそうな言い方をして、にこにこと笑う神宮寺勇太。

確かに、この微妙な関係はいつまで続けるのだろう．

そして私は、何を期待しているのだろう。