episode 8 ページ8
気付けば朝方になっていた。
皆に声を掛けて、そろそろ帰るかーなんていう雰囲気になって。
誰が誰を送っていくか、という話になった。
由佳ちゃんは勿論有原くん。
―――やっぱり、市橋くんは蓮子かな？
そんな事を考えながら蓮子の顔を覗く。
―――蓮子にはトビオがいるしなあ。
「A、市橋に送ってもらいなよ！」
トン、と背中を押されて市橋くんの前までよろけていく。
その時の市橋くんの顔は私じゃなくて、その後ろの蓮子を見てる。
「ちょっと、蓮子……市橋くんだって迷惑だよ。」
そんな彼の顔を見たら、やっぱり私は邪魔だろうなんて思ってしまう。
「私。一人で帰るから大丈夫。」
そう言ってカバンを取ると、その手を掴まれた。
「れ……」
「Aは市橋のこと気になってるんじゃないの？」
蓮子、そう声に出す前にくるりと後ろを向かされ、耳打ちでそう言われた。
「はッ……いや、そんなんじゃ……」
「え？あんだけボケーっとしてて何も無いっていうの？」
びっくり。まさかまさか。そんなボケーっとしてたの？
「たまに市橋のこと見て嬉しそうにしてたじゃん。」
「えっ……」
更に追い打ち。まさかそこまで見てたの？
流石に全部見られてたと分かったら恥ずかしさしかない。
穴があったら入りたいってやつ。
「私はトビオが好きだから。ね？」
蓮子は最後にそう耳打ちして、ポン、と肩を叩かれぐるんっと勢いよくまた市橋くんの方を向かされる。
「Aのこと、よろしくね市橋。」
市橋くんは「ああ」とだけ返した。
「蓮子には敵わないよ……」
ホント。敵わない。
そんな彼女に落ちている市橋くんをどうやって振り向かせようっていうの。
蓮子がトビオをすきだから大丈夫って訳じゃないよ。
いっその事、市橋くんと蓮子が両思いだったら、この恋の様な気持ちは私の中に現れなかったのに。
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桔子(プロフ) - 猫又さん» コメントありがとうございます！励みになります。ゆったり更新ですが、これからも見てくださると嬉しいです。 (2017年8月4日 22時) (
レス) id: 03f5afc14f (このIDを非表示/違反報告)
桔子(プロフ) - みく@企画垢さん» ご指摘ありがとうございます。直ぐに外しました。初心者の為また、何か間違いがありましたらご指摘下さると嬉しいです。 (2017年8月4日 22時) (レス) id: 03f5afc14f (このIDを非表示/違反報告)
みく@企画垢(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいね (2017年8月4日 21時) (レス) id: e89ce37d74 (このIDを非表示/違反報告)
猫又 - とても面白いです。これからも頑張ってください。 (2017年8月4日 21時) (レス) id: d6cba85abb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔子 | 作成日時：2017年8月4日 13時
