episode 6 ページ6
クラブに来てもどうも踊る気にはなれなくて。
カウンターに座って少し心を落ち着かせよう。
そう思い、蓮子達を送り出して自分は椅子に座る。
いつも通り、カクテルを頼んで。
全然市橋くんは私のこと気づいてるよね。
気づいてなきゃあんなガン見しないでしょ。
なんてグルグル考えていると、隣に誰かが座った。
目を横にやるとそれは市橋くんで。
「わっ……あ。」
「何」
なんて澄ました顔で私のことを見ながら煙草を取り出し、そして火を付ける。一連の動作が同い年とは思えないほどに大人びていて、呆気に取られた。
「あ、ホラ、市橋くんは……踊らないの？」
「ここで見てるよ」
紫煙を燻らすその横顔は、腹立つけれど綺麗。
「そっか」
彼のことをずっと見ている訳にもいかず、スマホを開いてなんとなく眺める。
「名前。」
突然、市橋くんが口を開いて、そう一言いった。
―――名前？……あ。言ってなかったっけ？
「あ！AAです。」
「AA……」
私の名前を反芻する。なんか変かな、と心配になる。
「あいつらの、友達？」
市橋くんは瞬きもせず、大きな瞳は私の顔をしっかりとらえて離さない。
あいつらって、トビオたちの事だろうな。
やっぱり。気づいてるよね。
「そうだよ。大事な友達」
流石に嘘はつけなかった。
市橋くんに嘘を付いたと気づかれたら後々怖いし、トビオたちを裏切るような気がした。
「だから、友達を傷つけないで。」
彼にそんな事を言っても応えてくれるはずはないけれど。
言わないよりはいい気がした。
市橋くんは何も言わなかった。
まあそりゃあ、マルくんに暴言吐かれたからキレるのもわかるけれど。
これ以上、何も起こらないことを祈ってカクテルに口をつけた。
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桔子(プロフ) - 猫又さん» コメントありがとうございます！励みになります。ゆったり更新ですが、これからも見てくださると嬉しいです。 (2017年8月4日 22時) (
レス) id: 03f5afc14f (このIDを非表示/違反報告)
桔子(プロフ) - みく@企画垢さん» ご指摘ありがとうございます。直ぐに外しました。初心者の為また、何か間違いがありましたらご指摘下さると嬉しいです。 (2017年8月4日 22時) (レス) id: 03f5afc14f (このIDを非表示/違反報告)
みく@企画垢(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいね (2017年8月4日 21時) (レス) id: e89ce37d74 (このIDを非表示/違反報告)
猫又 - とても面白いです。これからも頑張ってください。 (2017年8月4日 21時) (レス) id: d6cba85abb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔子 | 作成日時：2017年8月4日 13時
