episode 5 ページ5
「Aー！」
待ち合わせの場所の手前で蓮子に声を掛けられて。
「早いね、蓮子。まだ時間前だよ。」
「Aこそ。気合い入ってんの？」
なんてケラケラと横で笑う彼女の服装はなかなか大人びていて、いつもの制服姿とは雰囲気が違った。
私も大人に見せようと頑張ってはいるけれど、上手く結果が実らない。
「そういえば、その男の子達も高校生なの？」
ふと、聞いていなかったな、と思い尋ねた。
「あれ？言ってなかったっけ？矢波高って。」
「そーなんだ。……………………えっ！？矢波高……！？」
矢波高はマズイよ。まずい。不味い。マズイ。
「わ、私！やっぱり辞めとこうかな……」
急に後ずさりし始めた私を驚いた顔をしつつも、しっかり腕は掴む蓮子ちゃん。
「なんで？別に大丈夫だよ？」
「ホント！今日だけは本当に勘弁して……」
ずいずいと掴まれた腕を外そうとしても、なかなか外れず。
掴む力はどんどん強くなる。
―――何この子！怖い！
「あーっ！蓮子たちもう来てるじゃーん！」
由佳ちゃんの声とパタパタと走る音が聞こえて。
「おっ！待ってたよー！」
なんて蓮子は未だに私の手をしっかり掴んだまま由佳ちゃんに手を振る。
由佳ちゃんの後ろに見えるのは。
「げぇっ……」
紛れもなく市橋くんで。
こちらに彼が近づいてくるまでの間も私は諦めずにジタバタともがいたんだけれども、ビクともしない蓮子さん。
「お待たせ。蓮子、Aちゃん。」
キラキラと輝く可愛い由佳ちゃんはこちらの気も知らずに、テキパキと矢波高の男の子達を紹介していく。
「で、市橋くん。」
わあ。近くで見ると本当に綺麗なお顔されてるなあ。
わあ。心做しか私ガン見されてるなあ。
……わあ。今私の顔見て笑ったよ……
「変な顔」
ぽつりと市橋くんはそう言って笑った。
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桔子(プロフ) - 猫又さん» コメントありがとうございます！励みになります。ゆったり更新ですが、これからも見てくださると嬉しいです。 (2017年8月4日 22時) (
レス) id: 03f5afc14f (このIDを非表示/違反報告)
桔子(プロフ) - みく@企画垢さん» ご指摘ありがとうございます。直ぐに外しました。初心者の為また、何か間違いがありましたらご指摘下さると嬉しいです。 (2017年8月4日 22時) (レス) id: 03f5afc14f (このIDを非表示/違反報告)
みく@企画垢(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいね (2017年8月4日 21時) (レス) id: e89ce37d74 (このIDを非表示/違反報告)
猫又 - とても面白いです。これからも頑張ってください。 (2017年8月4日 21時) (レス) id: d6cba85abb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔子 | 作成日時：2017年8月4日 13時
