episode 3 ページ3
何故か伊佐美くんとパイセンは何処かに行ってしまって、トビオとマルくんと三人で歩く事になった。
「……パイセンってホント何者なんだろうね。」
そんな事をマルくんが言って、
「たしかに、怪しい金持ちってとこくらいしか分かんない。」
って私が返すと、トビオがあー、と笑った。
「あの人実家が金持ちだからニートしてても大丈夫らしい。」
「へえ、そうなんだ。」
「親の脛かじりってやつかあ。」
そんな気は薄々してたけれど。
あの人友達一人もいなさそうだし。
お金で釣って遊び相手作ってるって感じ。
「まあでも、奢ってくれるから俺は好きだよ？」
なんて、マルくんが言うから、
「それは好きって言わねえよ」
「それは好きって言わないから」
ってトビオとハモった。
それを三人で笑ってると、なんだかガラの悪い声が聞こえて。
マルくんが立ち止まって、彼の見ている反対車線に目をやると、矢波高生に絡まれるオジサン。
ああ、また絡まれてる。
ご愁傷さま。
「でた、矢波高……」
隣でマルくんがあちらをガン見しているから、トビオが
「見んなよ。」
と、制したんだけれど。
タタタ、と車道ギリギリに詰め寄ってマルくんが、矢波高へ暴言を吐き始めて。
トビオは「やめろ！」と組み付いたけれどやめる様子もない。
―――変な事には巻き込まれたくない
そう思い、さりげなく周りを見たら。
後方から矢波高軍団。
「ひぇ……」
なんて情けない声がいつの間にか出てて、
ああ、逃げよう、こんな馬鹿たちおいて逃げよう
そう思う暇もなく条件反射で足は動き出した。
「と、トビオ！用事思い出したから帰る！！」
「はァッ？！ちょ……」
そんな具合でトビオも後ろの存在に気づいたらしく、マルくんの口を塞いでいた。
20mくらい先の物陰に隠れて、「トビオ、マルくん。ゴメン。」なんて言いながら彼らの様子を確認。
もう絡まれてるみたいで、かなりヤバそう。
でも助けになんか行けない。
だって、あそこにいるの、矢波高の頭だし。
あの人に目つけられたら終わり。
なんて考えていたら、見たことのある車が止まって。
見たことのある人が降りてきた。
「パイセン……」
パイセンはお金をポンポンと渡している。
そんな物でどうにかなる様な人達じゃない……そう思ってついつい、物陰から出てきてしまった。
その時、あの矢波高の頭の……市橋くんとバチっと目が合って。
「やっば。」
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桔子(プロフ) - 猫又さん» コメントありがとうございます！励みになります。ゆったり更新ですが、これからも見てくださると嬉しいです。 (2017年8月4日 22時) (
レス) id: 03f5afc14f (このIDを非表示/違反報告)
桔子(プロフ) - みく@企画垢さん» ご指摘ありがとうございます。直ぐに外しました。初心者の為また、何か間違いがありましたらご指摘下さると嬉しいです。 (2017年8月4日 22時) (レス) id: 03f5afc14f (このIDを非表示/違反報告)
みく@企画垢(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいね (2017年8月4日 21時) (レス) id: e89ce37d74 (このIDを非表示/違反報告)
猫又 - とても面白いです。これからも頑張ってください。 (2017年8月4日 21時) (レス) id: d6cba85abb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔子 | 作成日時：2017年8月4日 13時
