傷ついた新芽は梟に育てられる (ページ14)

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東京見学　１３ページ14

勢いで切るって言ったけど…

〈Aの髪綺麗
これからも、俺が結んであげる！！〉

幼い頃の及川先輩の顔が浮かぶ

『あれから、切ってないな…』

｢どのような髪型にされますか？｣

店員さんが優しく訪ねてくれる

私は、見ていた雑誌から顔を上げて少し考えている…

と、京君がいきなりやってきて店員にどんどん指示を出す

なれてるなぁ…

｢それでは、切っていきますね～｣

『お願いします』

店員さんは手際よく髪を切り落とす

結構切ってるなー

｢あの人は、彼氏さんですか？
イケメンですね～｣
『ち、違いますよ
友達です』
｢そうなんですか？
美男美女でお似合いだと思ったのですが｣

なんて、他愛のない話をしていく

その間に、どんどん時間は経ち…

｢はい、完成です｣

私の髪は、肩より少し長いぐらいになっていて
何より、私の視界を遮っていた前髪が短くなっていた

『あ、ありがとうごさいました』

｢あ、そうだ｣

そう呟くと店員さんは、私の癖っ毛ではねていた髪を横の髪を少しとって結んでくれた

｢こっちの方が良いですよ｣

にこやかに笑い、私を送り出す店員さん

いい人だったな…