28話 ページ29
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『決めました、暖房使うの控えましょう』
「…凍死しろって言ってるようなもんだろ」
12月になって寒さがいよいよ本格的になってきた頃、私はエアコンのリモコンを持ちながらそう言った。
唯一の観客であるヴィアベルさんは「お前正気か？」と言いそうな態度で、いつもより低いトーンが形の良い唇から発せられた。
突然の暖房禁止になぜ？と思うのも無理はないが、こちらとしては言い分がある。
食費が増えた事、光熱費が上がった事、それにプラス外出による出費。覚悟はしていたが、ヴィアベルさんが来てからお金がいとも簡単に飛んでいくのだ。
なので、できる範囲で無駄な出費を抑えよう、という事なのである。
「…まあアンタの言い分は分かる。でも寒さに耐えられるのか？」
『ウィンドブレーカーがありますし…何とかなるでしょう。それにヴィアベルさんは寒さに強そうですから』
私には大学生時代、冬に外を出歩くために買ったウィンドブレーカーがある。それにヴィアベルさんだって元いた世界の北国で強かに生きているはずなので寒さには慣れているだろう。
『大丈夫、何とかなりますよ！』
「どうだかな」
流石に耐えられないと思った時と、寝る時には暖房をつける、という事に決まった。
『ただいま…あー…寒い……』
「おかえり、暖房つけるか？」
『いや、遠慮します…』
「アンタにしては頑張るねぇ」
もう三日も経っちまった、とこちらを見て薄ら笑うのを横目で見ながら、私はウィンドブレーカーを羽織った。
まだ三日しか経っていないのだが、『もうこんな馬鹿な事やめよう』という気持ちが強い。なぜなら、ドアの下から冷気が入ってくるわ、足は冷えるわ、温かい飲み物はすぐ冷めるわでマイナスな事しか起きていない。
いつものんびりするラグの上も冷え切っていて、寒さで私の体はぶるぶると小刻みに震える。そのままスマートフォンをいじっていれば、ヴィアベルさんが隣に座ってきた。
「寒そうだな」
『はいまあ…でも耐えないと』
「暖房もつけずに、無料で簡単に温まれる方法があったらどうするよ？」
『えっ』
そんな方法が？！と目を輝かせた私にヴィアベルさんはニヤリと笑った。
「教えてほしいか？」
『はい、是非！』
「じゃあ俺の前に座れ」
『？、分かりました』
なぜ彼の前に座らなければならないのか。魔法でもかけてくれるのだろうか。そんな淡い期待を抱きながら、私はヴィアベルさんの前に座った。
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綾兔 - 彰也さん» 消化ありがとうございます！やっぱり毎話毎話ヴィアベルと夢主の掛け合いが最高です！尊敬してます！それと、完結おめでとうございます！この小説は本当に大好きで、毎回楽しみにしてました！他の作品も頑張ってください！応援してます！ (5月7日 21時) (
レス) @page35 id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
白黒名 - 完結おめでとうございます！ヴィアベル大好きな私は、この作品から色々な栄養をもらっていたので、「冬のきま ぐれ」には感謝の気持ちでいっぱいです！他の作品の執筆にあたっても頑張ってください！応援しています！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: ee8aa02a3c (このIDを非表示/違反報告)
夜凪アリサ(プロフ) - 毎日楽しみにしていた冬のきまぐれ、終わってしまって少し寂しいですけどまた、いつか続き楽しみにしていますね！素敵な作品を作ってくださりありがとうございました！本当にお疲れ様でした！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: 4a128355b0 (このIDを非表示/違反報告)
彰也(プロフ) - 綾兔さん» コメントありがとうございます！ちょうど告白じみた事を夢主がやってしまって〜のくだりをしようとしていたのでリクエスト消化しました！どうでしたでしょうか、、？喜んでくれれば幸いです〜またのリクエストお待ちしています！ (4月28日 21時) (レス) id: 8516ee2748 (このIDを非表示/違反報告)
綾兔 - もうほんとに大好きです！ヴィアベルがかっこいいし、お話が面白くて毎回楽しいです！あの、できたらで良いんですけど、夢主がお酒飲んで酔ってて、ポロっと告白(？)しちゃうって言うのをみてみたいです！これからの展開がめちゃくちゃ楽しみです！応援してます！ (4月28日 11時) (レス) id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彰也 | 作成日時：2024年2月3日 0時
