27話 ページ28
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異世界から来た成人男性に寝ながら抱きしめられる心情を述べよ、なんて問題が出てきても今なら答えられる。
答えは『早く退きたい』だ。
『だから！もう動けますってば』
「強情だな、辛抱しろよ」
『強情なのはヴィアベルさんもです』
ヴィアベルさんいわく、ここ最近魔法を使っていないからか、咄嗟に反応したのが体でこのようになったと。
おかげで私の心音は少女漫画並みにどきどきしているし、ヴィアベルさんからは何だか良い匂いがするので、もう気がおかしくなりそうだ。
『ああもう、埒があかない…！』
「A」
『…何ですか？』
「熱の時に言った事、覚えてるか」
いっそ無理にでも体を動かそうかと思っていたら、ヴィアベルさんが私の思考を鈍らせる最悪の話題を持ってきた。
『私が、ヴィアベルさんにとって…』
「そう、その話」
『それが、どうかしたんですか』
「これは勝手な憶測だが、アンタは俺を犬を蹴っ飛ばしてそうな非道な奴だと思ってないか？」
確かフェルンがそんな事を言っていたような、と思いながらも『なぜ急にこんな話を？』と困惑する。
「俺がまだ怖いのか知らねぇが、恩人のアンタをこれでも少しは信用してるつもりだぜ」
『…えっ、』
突然パッと背中に回された手が退いて、私は自然な動きで起き上がった。目を二、三回瞬かせれば、「なに固まってんだよ」と言うヴィアベルさんが私を見つめていて。
『…私の中では貴方は善人ですよ』
「そうか」
何か言わなければならないと思った。少しだけ憂いを帯びたその目に、貴方の生き方は間違っていないのだと言いたかった。
でも肝心な言葉は出てこなくて、いかにも安っぽいチープな言葉が口から漏れて彼に届く。
『ヴィアベルさんに信用されるって不思議な感覚ですね』
「不思議って何だよ」
『いやだって、基本的に人を信用してなさそうですし』
「まあ、あながち間違っちゃいねぇ」
『私を信用しようとした決め手は何ですか？』
「…何って」
シャワーを浴びて、いくらかアルコールが抜けて冴えてきた頭で先ほどの事を思い出した。
椅子にはお風呂に入って出てきたばかりのヴィアベルさんが座っている。
「この世界は平和ボケしてる奴ら多いからな、俺に杖を向けられてもビビらなかったアンタを信用しようと思った」
『あの時は本気で死ぬかと思いましたよ』
いつになく真面目なトーンで言えば、ヴィアベルさんは楽しそうに笑った。
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綾兔 - 彰也さん» 消化ありがとうございます！やっぱり毎話毎話ヴィアベルと夢主の掛け合いが最高です！尊敬してます！それと、完結おめでとうございます！この小説は本当に大好きで、毎回楽しみにしてました！他の作品も頑張ってください！応援してます！ (5月7日 21時) (
レス) @page35 id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
白黒名 - 完結おめでとうございます！ヴィアベル大好きな私は、この作品から色々な栄養をもらっていたので、「冬のきま ぐれ」には感謝の気持ちでいっぱいです！他の作品の執筆にあたっても頑張ってください！応援しています！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: ee8aa02a3c (このIDを非表示/違反報告)
夜凪アリサ(プロフ) - 毎日楽しみにしていた冬のきまぐれ、終わってしまって少し寂しいですけどまた、いつか続き楽しみにしていますね！素敵な作品を作ってくださりありがとうございました！本当にお疲れ様でした！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: 4a128355b0 (このIDを非表示/違反報告)
彰也(プロフ) - 綾兔さん» コメントありがとうございます！ちょうど告白じみた事を夢主がやってしまって〜のくだりをしようとしていたのでリクエスト消化しました！どうでしたでしょうか、、？喜んでくれれば幸いです〜またのリクエストお待ちしています！ (4月28日 21時) (レス) id: 8516ee2748 (このIDを非表示/違反報告)
綾兔 - もうほんとに大好きです！ヴィアベルがかっこいいし、お話が面白くて毎回楽しいです！あの、できたらで良いんですけど、夢主がお酒飲んで酔ってて、ポロっと告白(？)しちゃうって言うのをみてみたいです！これからの展開がめちゃくちゃ楽しみです！応援してます！ (4月28日 11時) (レス) id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彰也 | 作成日時：2024年2月3日 0時
