23話 ページ24
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「次、何かやる時は起こせよ」
『わ、分かりました…』
またもやお姫様抱っこでベッドに連行された私は大人しくする以外選択肢が無かった。
テーブルに置かれてあった薬をまた飲んで横になれば、じっとヴィアベルさんが見つめてくるわけで。視線が気になって背を向けているが、まだ薬が効いていないので寝付く事もできない。
『何でそんな見てくるんですか』
「病人の様子を見るのは当然だろ」
『ずっと見なくたって…』
「言っただろ、アンタに死なれちゃ困る」
それは貴方が楽に生きたいからじゃないですか、と先ほどの嫌な感情が私を苦しめる。こんな事、ヴィアベルさんに思いたくないのに。じゃあ何で私に優しくするの。何で私の事を知りたいと思ったの。
子供のような自分勝手な考えに嫌気が差す。彼に対してのこの感情は何なのか。だがこれは彼に向ける感情ではないと分かっている。それを理解していても熱に浮かれている私の判断力はとうに鈍っていて、つい口から言葉が出てしまった。
『ヴィアベルさんにとって私って、何ですか』
彼がいる方を向いてそう言うと、久々に目を見て話したような気がした。ヴィアベルさんは瞬きを一回して唇に弧を描いた。
「俺の命の恩人だ。だから死ぬな」
彼はそう言うと布団の中にあった私の片手を握った。私がいつもより体温が高いからか、ヴィアベルさんの手はひんやりしている。
『…死にませんよ、死ねません』
握られた手を緩く握り返して言った言葉は震えて部屋に消えた。視界がぼやけて涙が溢れるが、上手く笑えていただろうか。
急いで涙を拭えば、そこには目を見開いたヴィアベルさんが私を見ていた。
『す、みませ…急に泣いたり、して』
「別に怒っちゃいねぇよ」
落ち着いた彼の声に余計に涙がぼろぼろと溢れる。突然泣いた私に対してヴィアベルさんは何も詮索してこないまま手を握っていてくれた。
命の恩人。その一言でさっき思っていた嫌な事も全て吹き飛んでしまって、私はなんて都合のいい人間なのだろうと思う。
「ほら、これで拭え」
『うぐっ…ほんと、すみません…』
「謝んな、俺に対して思う事があったんだろ」
『それは、』
「無理に言わなくていい、アンタは休め」
手渡されたタオルで涙を拭けば、ヴィアベルさんは目を少し伏せていた。どこか考えるような顔をする彼に、私が声をかけようとした時にはいつもの表情に戻っていた。
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綾兔 - 彰也さん» 消化ありがとうございます！やっぱり毎話毎話ヴィアベルと夢主の掛け合いが最高です！尊敬してます！それと、完結おめでとうございます！この小説は本当に大好きで、毎回楽しみにしてました！他の作品も頑張ってください！応援してます！ (5月7日 21時) (
レス) @page35 id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
白黒名 - 完結おめでとうございます！ヴィアベル大好きな私は、この作品から色々な栄養をもらっていたので、「冬のきま ぐれ」には感謝の気持ちでいっぱいです！他の作品の執筆にあたっても頑張ってください！応援しています！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: ee8aa02a3c (このIDを非表示/違反報告)
夜凪アリサ(プロフ) - 毎日楽しみにしていた冬のきまぐれ、終わってしまって少し寂しいですけどまた、いつか続き楽しみにしていますね！素敵な作品を作ってくださりありがとうございました！本当にお疲れ様でした！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: 4a128355b0 (このIDを非表示/違反報告)
彰也(プロフ) - 綾兔さん» コメントありがとうございます！ちょうど告白じみた事を夢主がやってしまって〜のくだりをしようとしていたのでリクエスト消化しました！どうでしたでしょうか、、？喜んでくれれば幸いです〜またのリクエストお待ちしています！ (4月28日 21時) (レス) id: 8516ee2748 (このIDを非表示/違反報告)
綾兔 - もうほんとに大好きです！ヴィアベルがかっこいいし、お話が面白くて毎回楽しいです！あの、できたらで良いんですけど、夢主がお酒飲んで酔ってて、ポロっと告白(？)しちゃうって言うのをみてみたいです！これからの展開がめちゃくちゃ楽しみです！応援してます！ (4月28日 11時) (レス) id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彰也 | 作成日時：2024年2月3日 0時
