2話 ページ3
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『ここは貴方がいた世界ではないと思います』
「…どういう事だ」
『この世界では魔法は空想上のものですし、もちろん使えるはずがないんです。貴方がさっき言った魔法だって、私は知りません』
「…」
今だって魔法は使えないんでしょう、と言えば彼は少しだけ黙ってしまった。
異世界ものや転生ものでの漫画でしか見れなかった光景が目の前に広がっている時点でこれはお酒を飲みすぎたな、と1人反省する。
「アンタから感じる微量な魔力、抑えてるわけじゃないんだな？」
『抑えてるも何も、魔力という存在すら知りません』
「…そうか」
魔法は使えないのに魔力は感じるのか、不思議なものだと思いながら、彼が退くのを待つ。緊張と恐怖に心音がうるさいのを無視をすれば、彼の人殺しをしていそうな冷たい目が少しだけ緩み、壁についていた手を退けてくれた。
いくらか緊張が解け、ほっと安堵するのも束の間、私ははっとして彼をもう一度見た。
どこかで見た事がある姿、どこかで聞き覚えのある声、それに「魔法」。友人に貸してもらった漫画に、そしてつい先日見たアニメに出てきたキャラクターを思い出した。
いやそんなはずは、と最初は否定したかったが、もはやコスプレの域を超えている彼に私は震える声を抑えて言うしかなかった。
『あの、お名前は』
「ヴィアベルだ。アンタは」
『…Aです』
まさか。まさか「葬送のフリーレン」に出てくる北部魔法隊の隊長のあの「ヴィアベル」がうちに来るなんて、聞いていない。
『警察に保護してもらいましょう、ヴィアベルさん』
見れば見るほど漫画からそのまま出てきたような風貌をしているヴィアベルさんに、私はため息をつきそうになる。
うちに「葬送のフリーレン」の漫画があるがそれを見たら彼は驚くだろうか。いや、案外受け入れてくれそうだ。今だってこの状況に馴染みつつある。
あの後、とりあえず椅子に座らせて温かいお茶を出したら普通にそれを飲んでくれた。私が淹れるのをじっと見た後、私が自分のお茶に口をつけた後にだが。
やはりそんな簡単に警戒を解いてくれるわけがない。そんな彼を見て色々考えたが、やはり最終的に警察に行った方が良いと思った。
突然こちらの世界に来たのだ、帰る時も突然だろう。そう思ったら国の保護下でその時を待った方が良い気がする。それに私が彼に出来る事は何もない。
だが目の前に座るヴィアベルさんは気が進まないらしい。
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綾兔 - 彰也さん» 消化ありがとうございます！やっぱり毎話毎話ヴィアベルと夢主の掛け合いが最高です！尊敬してます！それと、完結おめでとうございます！この小説は本当に大好きで、毎回楽しみにしてました！他の作品も頑張ってください！応援してます！ (5月7日 21時) (
レス) @page35 id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
白黒名 - 完結おめでとうございます！ヴィアベル大好きな私は、この作品から色々な栄養をもらっていたので、「冬のきま ぐれ」には感謝の気持ちでいっぱいです！他の作品の執筆にあたっても頑張ってください！応援しています！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: ee8aa02a3c (このIDを非表示/違反報告)
夜凪アリサ(プロフ) - 毎日楽しみにしていた冬のきまぐれ、終わってしまって少し寂しいですけどまた、いつか続き楽しみにしていますね！素敵な作品を作ってくださりありがとうございました！本当にお疲れ様でした！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: 4a128355b0 (このIDを非表示/違反報告)
彰也(プロフ) - 綾兔さん» コメントありがとうございます！ちょうど告白じみた事を夢主がやってしまって〜のくだりをしようとしていたのでリクエスト消化しました！どうでしたでしょうか、、？喜んでくれれば幸いです〜またのリクエストお待ちしています！ (4月28日 21時) (レス) id: 8516ee2748 (このIDを非表示/違反報告)
綾兔 - もうほんとに大好きです！ヴィアベルがかっこいいし、お話が面白くて毎回楽しいです！あの、できたらで良いんですけど、夢主がお酒飲んで酔ってて、ポロっと告白(？)しちゃうって言うのをみてみたいです！これからの展開がめちゃくちゃ楽しみです！応援してます！ (4月28日 11時) (レス) id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彰也 | 作成日時：2024年2月3日 0時
