17話 ページ18
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ヴィアベルさんがうちに来て二週間が経った。だが彼があちらの世界に帰る兆しは見えていない。
『ヴィアベルさん、元の世界に戻れないのに焦ったりしないんですか』
「焦っても仕方ねぇだろ。現状、戻れる方法が定まったわけでもねぇ」
戦いの最中じゃなかったのが幸運だな、と溢すヴィアベルさんの顔は薄ら笑っている。
一つ戻れる可能性があるとすれば、それはヴィアベルさんの魔力が全回復した時だと言っていた。
彼の魔力は日々少しずつだが回復しているらしく、私に杖を向けた時には一般攻撃魔法を五、六発撃てるほど回復していたみたいだ。
それを聞いた時には流石に『本気で撃とうとしたんですか？！』と驚きを隠せなかったが、ヴィアベルさんは「撃つ気はなかったよ」と目を伏せた。
それでも彼の中では全然魔力が足りないようで、全回復まで一ヶ月かかるらしい。
あと一ヶ月の付き合いとなると、年明けにはヴィアベルさんは私の前からいなくなるという事になる。あと一ヶ月。短くも長くもある期間にふと私はこんな事を聞いた。
『ヴィアベルさんはこの世界でやりたい事とか無いんですか？』
「…考え事も無かった」
『えぇ…』
真顔になって答える彼はこの世界に全く未練が無いらしい。私が彼との別れを寂しいと思ったのが少し恥ずかしく思える。
『じゃあ私と一緒に外でも行きましょうよ』
「Aと？どこに行くんだよ」
最近、以前ほど外に出なくなったヴィアベルさんは暇さえあれば「葬送のフリーレン」の漫画を見るか、その他の漫画を本棚から何冊か取って見ている事が多くなった。
外のこの地一帯は調べ尽くしたとも言っていたような気がする。どのような意味で調べたのかは知らないが、外への関心もあまり無くなってしまった。
せっかく来たのだから、平和なこちらの世界で少しぐらい良い思い出を作ってもいいんじゃないか、と思う。そう考えていれば自然と言葉が出ていた。
私の言葉にヴィアベルさんは少し目を見開いて、意外そうにこちらを見る。『失礼な、遊ぶお金なら持ってますよ』と言えば、彼は「やるじゃねぇか」とニタリと笑った。
『どこって…それは後日教えますよ』
「まあ、アンタと一緒ならどこでも良いけどな」
『…そうですか』
それは一緒にいて楽だと思われているのか、それとも別にどうでもよく思っているのか。変な期待はしないようにしようと私は小さくため息を吐いた。
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綾兔 - 彰也さん» 消化ありがとうございます！やっぱり毎話毎話ヴィアベルと夢主の掛け合いが最高です！尊敬してます！それと、完結おめでとうございます！この小説は本当に大好きで、毎回楽しみにしてました！他の作品も頑張ってください！応援してます！ (5月7日 21時) (
レス) @page35 id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
白黒名 - 完結おめでとうございます！ヴィアベル大好きな私は、この作品から色々な栄養をもらっていたので、「冬のきま ぐれ」には感謝の気持ちでいっぱいです！他の作品の執筆にあたっても頑張ってください！応援しています！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: ee8aa02a3c (このIDを非表示/違反報告)
夜凪アリサ(プロフ) - 毎日楽しみにしていた冬のきまぐれ、終わってしまって少し寂しいですけどまた、いつか続き楽しみにしていますね！素敵な作品を作ってくださりありがとうございました！本当にお疲れ様でした！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: 4a128355b0 (このIDを非表示/違反報告)
彰也(プロフ) - 綾兔さん» コメントありがとうございます！ちょうど告白じみた事を夢主がやってしまって〜のくだりをしようとしていたのでリクエスト消化しました！どうでしたでしょうか、、？喜んでくれれば幸いです〜またのリクエストお待ちしています！ (4月28日 21時) (レス) id: 8516ee2748 (このIDを非表示/違反報告)
綾兔 - もうほんとに大好きです！ヴィアベルがかっこいいし、お話が面白くて毎回楽しいです！あの、できたらで良いんですけど、夢主がお酒飲んで酔ってて、ポロっと告白(？)しちゃうって言うのをみてみたいです！これからの展開がめちゃくちゃ楽しみです！応援してます！ (4月28日 11時) (レス) id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彰也 | 作成日時：2024年2月3日 0時
