14話 ページ15
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やってしまった。これは何か言われる、とヴィアベルさんの方をちらりと見れば、いつものように目を少し伏せて笑っていただけだった。
「そいつはありがたいねぇ、嬢ちゃん」
『い、今の取り消しで…』
「はっ、無理だろ」
ヴィアベルさんは何でもないように私を引き寄せると、耳元で囁くようにそう言った。良い声が耳に直接流し込まれるような形に蚊の鳴くような声しか出ない。
この人、本当に距離感バグってる…そう思いながら心臓がドクドクと音を立てているのを宥めようと胸元をさする。
「本当に耐性ねぇんだな」
『主にヴィアベルさんの、ですよ。別に他の男性にこんな事されても意識はしますけど…こんな緊張はしません』
「他の男性、ね」
意味ありげに含めた言い方をするヴィアベルさんを見る。さっきの浅田君の事を言っているようなものだった。
『あ…さっきは助けてくれてありがとうございました。まさか来てくれるとは思ってなかったです』
「ああ、どういたしまして。それと…」
『…それと？』
「やっぱりアンタ、気づいてないんだな」
何にですか、と言おうとした瞬間、ひたりと首元に冷たいものが触れる感触がした。見れば、ヴィアベルさんの杖がそこにあった。
「ここ数日、俺は魔法が使えなくなる魔法をかけられてると思っていたが、それは違ったらしい。俺の魔力量自体が無くなっていたからな。そして時間が経てば魔力が回復するのも分かった」
『！、そうだったんですか。良かったですね』
「…だが、問題が一つあってな。それはアンタの魔力量の多さだ。魔力が回復して判明した事だが、この地一帯なら一番なんだよ」
『…え？』
「アンタ、本当に何者だ？」
ぴたり、と暗闇の道の中でヴィアベルさんの足が止まった。明らかな警戒。出会った時と同じような、そんな雰囲気。
魔力量が多い。それは彼にとって脅威ともなりうるのだろう。それに出会った当初、私の魔力が微量だったという事は、魔力が無かった彼の魔力探知が上手く出来なかったという事だろうか。
いくら考えても埒があかない。私はそのままの本心を伝える事にした。
『私がその、魔力量が多かったから助けに来れたんですか？』
「大きい分、揺らぎも大きいからな」
『なら良かったです、本当に困ってたので』
「……」
『疑うのは分かりますが、私はただの一般人で、魔法の使い方だって知りません。そもそも世界線が違うんですから』
彼なら分かってくれるはず、とそこだけに賭けた。
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綾兔 - 彰也さん» 消化ありがとうございます！やっぱり毎話毎話ヴィアベルと夢主の掛け合いが最高です！尊敬してます！それと、完結おめでとうございます！この小説は本当に大好きで、毎回楽しみにしてました！他の作品も頑張ってください！応援してます！ (5月7日 21時) (
レス) @page35 id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
白黒名 - 完結おめでとうございます！ヴィアベル大好きな私は、この作品から色々な栄養をもらっていたので、「冬のきま ぐれ」には感謝の気持ちでいっぱいです！他の作品の執筆にあたっても頑張ってください！応援しています！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: ee8aa02a3c (このIDを非表示/違反報告)
夜凪アリサ(プロフ) - 毎日楽しみにしていた冬のきまぐれ、終わってしまって少し寂しいですけどまた、いつか続き楽しみにしていますね！素敵な作品を作ってくださりありがとうございました！本当にお疲れ様でした！ (5月4日 23時) (レス) @page42 id: 4a128355b0 (このIDを非表示/違反報告)
彰也(プロフ) - 綾兔さん» コメントありがとうございます！ちょうど告白じみた事を夢主がやってしまって〜のくだりをしようとしていたのでリクエスト消化しました！どうでしたでしょうか、、？喜んでくれれば幸いです〜またのリクエストお待ちしています！ (4月28日 21時) (レス) id: 8516ee2748 (このIDを非表示/違反報告)
綾兔 - もうほんとに大好きです！ヴィアベルがかっこいいし、お話が面白くて毎回楽しいです！あの、できたらで良いんですけど、夢主がお酒飲んで酔ってて、ポロっと告白(？)しちゃうって言うのをみてみたいです！これからの展開がめちゃくちゃ楽しみです！応援してます！ (4月28日 11時) (レス) id: 837e222f3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彰也 | 作成日時：2024年2月3日 0時
