☆ホンネ ページ40
「状況が…違う？」
「そうそう。信ちゃんとA先生は もう“カレカノ”やろっ？ほしたらぁ」
隣におった大倉の肩 トンと押して馬乗りになったヤス
顔の横に両手ついて
「こんな風になるのも、当然やし？」
左の口角を上げながら、手ついとったとこに次は肘ついて顔 近付けて
「キス……とかも なぁ？」
「うん……とか なるかっ！」
「いったぁ〜」
下で大人しくしとった大倉に頭叩かれて涙目のヤス
「村上くんっ、くちっ！口 開いてんでっ」
「おっ、おぉ すまんな」
「ふふっ、彼氏ならこの位 強引に行ってもええんちゃう？」
「いやっ、それは無理やって」
「知らんでぇ？他の男にA先生 取られても…例えば 俺とかっ？」
「おーくらっ、そないな事 言うたらアカンのっ。でもな？…」
“男は時に 狼さんに ならんとなっ♪”
熱めのシャワー頭からかぶってみても、ヤスの黒〜い笑顔と言葉が脳裏から離れへんくて
煩悩の塊やな 俺…
リビングに戻ると床に座って チーと遊ぶ後ろ姿
「チー、おいで」
隣の部屋のドアを開けると、自分のお気に入りのクッションの上で丸くなるこの子は
「おやすみ」
よぉ 空気 読んでくれとる
でも
「何しとんの？」
こっちの子は
「帰ろうかな？って」
全く空気 読まれへんのな
荷物持って立ち上がろうとするから、それを制して彼女の目の前に座る
「でも…」
再び荷物に手を伸ばすから
「帰さへん…よ？」
正面から抱き締めてもぉたら、思わず出た 本音
「よいしょ…と」
まさか この俺が、昨日のヤスと同じ事するとはなぁ
「よいしょ って 何？」
俺の下、余裕あり気に笑うから
「ちょお、黙って？」
顔の横に肘ついて、お互いの息のかかりそうな距離まで 初めて近付いたら
「なぁ、イヤ…やない？」
ちょっと不安になってもぉて
「何が？」
「その…俺と こーいう事になるのんは」
「イヤじゃ ないよ？だって私は、信五さんの彼女だもん」
俺の首に回された腕の温かさを感じたら
「ほしたら、泊まってく？」
「………うん」
きっと初めからこうなるって 決まっててん
あのトキ
貴女と目が合った一瞬で
「………A」
俺が お前に 堕ちてしまうことは
「愛してんで」
“運命” やったんやろな
all end
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作者名：ちか
| 作成日時：2015年12月12日 8時
